MBS大吉洋平アナウンサーの「温泉書き流し」

秘湯の濃厚な源泉と名物の釜飯を堪能

[ 2017年11月23日 15:39 ]

山乃湯の外観
Photo By スポニチ

 大自然の中に湧く「ワイルド系」、簡単には辿り着けない「秘湯系」、温泉に加え魅力的な何かがある「+アルファ系」。温泉ソムリエとして私が反応してしまうのは、独自に定義づけたこのどれかに当てはまる温泉です。

 今回ご紹介するのは大阪府泉佐野市にある犬鳴山温泉の一つ「山乃湯」=写真。1958年(昭33)に湯元温泉荘という宿が開かれ89年(平1)に日帰り入浴専用の山乃湯が宿の隣にオープンしました。中心部から約30メートル離れた所に初見では少し分かり難い細くて急な坂道があり、そこを下ると山乃湯へ。御歳78の優しい女将・高原馨さんが道路まで出て来て下さり到着することができました。

 これぞ秘湯系!湯屋の周りでは紅葉が風に揺れていました。浴室は内湯一つだけのシンプルなつくり。お湯に自信がある証拠です。それもそのはず、この地域の元湯です。つまりここのお湯が近隣の宿や施設に配湯されています。

 湧出したばかりの濃厚な源泉を堪能できるのは山乃湯ならでは。温泉成分の沈殿物、湯の花が浮かぶお湯はトロトロの濁り湯。極上美容液を全身に染み込ませている感覚でした。

 初夏には蛍も飛び交うと言う小川が見えます。湯上りには女将さん手作り、名物の釜飯を頂きました。気持ちよさそうに昼寝をしているお客さんもいる畳の上で女将のお料理に舌鼓を。まさしく+アルファ系!湯冷めどころか心がもう一度温まった瞬間でした。

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