MBS大吉洋平アナウンサーの「温泉書き流し」

大分県日田市「天ケ瀬温泉」 開放感ありすぎる野天の湯

[ 2018年2月28日 10:00 ]

開放感にあふれる天ケ瀬温泉の河鹿の湯
Photo By スポニチ

 今回は開放感があり過ぎる野天の湯をご紹介。関西人の私ですが両親は共に九州出身です。母の故郷・大分県日田市にある天ケ瀬温泉には幼い頃、よく通いました。開湯1300年の歴史を誇るこちらの温泉地は、水郷・日田を流れる玖珠川(くすがわ)沿いに宿が立ち並び、周辺には多数の共同露天風呂があることで有名です。

 川沿いでは至る所から湯気が立ち上っていて、歩いているだけでも肌が潤いそう。今月初め、少し雪が舞う中、私が訪れたのはホテル水光園が管理する河鹿(かじか)の湯。川の真横の岩風呂に源泉が注ぎ込まれている、屋根も仕切りもない“むき出し”の混浴温泉です。

 ひとたび体を沈めると、湯煙越しに見える古い街並みに心が和みます。瀬音に耳を澄まし、しばらく微動だにせず目を閉じていると、屋外にさらされているからこその魅力が分かってきました。道行く人の目に多少入ってしまうからこそ、まるで自分自身もこの伝統ある温泉街の一部と化しているような感覚になるのです。

 名湯を構成する一つの要素になれたような、神秘的な癒しがそこにはありました。誰も見ていませんが、景観を壊さないために私も絵になる浸かり方を…なんて考えてしまいます。はい。ツッコミ大歓迎。皆さんも都会じゃあり得ないこの究極の開放感を味わいながら、ゆっくり古湯に身を委ねてみるのはいかがでしょうか。

 ◆天ケ瀬温泉メモ ホテル水光園は大分県日田市天瀬町桜竹485の1、(電)0973(57)3140。料金は1人500円。午前10時〜午後9時。河鹿の湯は水着、バスタオル着用の入浴。

 ◇大吉 洋平(おおよし・ようへい)1985年(昭60)8月23日、兵庫県生まれの32歳。甲南大卒。08年、MBSに入社。高校時代にオーストラリア、大学時代は米国にそれぞれ1年留学していたことから英語でのリポートも得意。担当番組は「せやねん!」「ちちんぷいぷい」など。

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