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MBS大吉洋平アナウンサーの「温泉書き流し」

鳥取県倉吉市 関金温泉「関の湯」 これぞ“究極の引き算”歴史の残り香漂う名湯

[ 2018年7月25日 11:13 ]

歴史の残り香漂う関金温泉「関の湯」の外観
Photo By 提供写真

 今回の舞台は鳥取県倉吉市です。JR倉吉駅から車で約30分、開湯114年の「関の湯」をご紹介します。

 大通りから細い道へ入り山道を進むとセミの鳴き声がだんだん大きくなってきました。周辺に立ち並ぶのは古民家ばかり。道を間違えたかな、と不安に思った頃に現れるのが「関の湯」です。この辺りは1200年の歴史があると言われる温泉街で、広義には関金温泉と呼ばれています。上質な湯治場を求めて全国から人が集まり、栄華を誇った歴史もありました。今は廃業した宿の跡地が目立ちます。

 しかし、その源泉は途絶えていません。名湯に魅せられた多くの温泉ファンたちが、入浴料200円を握りしめて関の湯に集います。浴室には木製の湯船がたった一つ。椅子やシャワーはありません。地中からの恵みを享受するためだけの、最低限の設備で客を迎えています。

 ただ、長年愛されている無色透明の湯は生き生きと湧き出ていて、私にとっては十分過ぎるおもてなし。多くのラドンを含む貴重な温泉で、放射能泉という枠組みに入ります。入浴の適応症に痛風がある唯一の泉質で、効能の幅の広さから温泉ソムリエの間では万病の湯とも呼ばれています。

 余計なものを取り払った究極の引き算。歴史の残り香漂う元宿場町の共同温泉でお湯と向き合う一日はいかがでしょうか。

 ◆関金温泉「関の湯」 鳥取県倉吉市関金町関金宿1227の1。営業時間は午前6時30分から午後8時30分。定休日は毎月1日と15日(両日とも土日、祝日の場合は振り替えで翌日が休み)。料金は200円。問い合わせは(電)0858(45)3186。

 ◇大吉 洋平(おおよし・ようへい)1985年(昭60)8月23日、兵庫県生まれの32歳。甲南大卒。08年、MBSに入社。高校時代にオーストラリア、大学時代は米国にそれぞれ1年留学していたことから英語でのリポートも得意。担当番組は「せやねん!」、「ちちんぷいぷい」など。

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