月組・珠城りょう<上> 集大成の舞台「退団よぎる瞬間がないほど没頭」

[ 2021年5月15日 05:30 ]

作品に集中するあまり「まだ退団の実感がない」と話す珠城りょう
Photo By スポニチ

 月組トップスター珠城りょうのサヨナラ公演「桜嵐記/Dream Chaser」がきょう15日、兵庫・宝塚大劇場で開幕する(6月21日まで、東京宝塚劇場は7月10日~8月15日)。

 新型コロナウイルス感染症の影響で当初に予定した退団時期が大きくずれ込み、今回も直前の公演が途中中止になるなど、不安定な状況は続くが無事に開幕を迎え「そんな世の中でも必ずどこかに希望はあるはず。その希望を信じて自分自身歩みたい」と足元を見つめた。

 「桜嵐記」は南北朝の動乱期を舞台に、勝ち目がないことを知りながら父・楠木正成の遺志を継ぎ戦い続ける楠木正行(まさつら)の生きざまを描く物語。「終わり」を知りながら戦う姿は、いつかは退団することが定めであるタカラジェンヌの姿にも重なる。「そういう意味では通じるところはあるかも。お客さまは私の退団と重ねてご覧になると思いますが、私はただただ正行の人生を生き切ることに集中したい。芝居中は、自分の退団がよぎる瞬間が一瞬もないほど没頭できる作品」。揺るぎない自信をのぞかせ集大成の舞台に挑む。(土谷 美樹)

 ◇珠城 りょう(たまき・りょう)10月4日生まれ、愛知県蒲郡市出身。光ケ丘女子高を経て08年初舞台。月組配属。早くから抜てきを受け続け16年9月トップに。9年目でのトップ就任は7年目の天海祐希に次ぐスピードだった。身長1メートル72。愛称「りょう」。

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