元星組・安蘭けい 〝先輩〟柚希礼音と挑むダブルキャスト

[ 2020年10月10日 05:30 ]

後輩の「胸を借りるつもりで」役にぶつかる安蘭けい
Photo By 提供写真

 元星組トップスター安蘭けい(50)が3年ぶりに上演中のヒットミュージカル「ビリー・エリオット」にウィルキンソン先生役で初参加した(17日まで=東京・TBS赤坂ACTシアター、10月30日~11月14日=大阪・梅田芸術劇場)。

 ダブルキャストの相方は、1代後輩の元星組トップ柚希礼音(41)。柚希は初演時も出演しており、安蘭は「宝塚では私が上級生ですが、今回はもちろん、私がちえ(柚希)の胸を借りるつもりです」と強調した。

 さらに「最初は〝ちえはどう思うかな〟って考えたりもしたけれど、気を使わないでほしいし、今はトップと2番手だった10年前より距離は近寄ってるし、すごくいい関係になっている」とにっこり。現場では、柚希のことを冗談交じりに〝先輩〟と呼んでいるそうで「トップの経験と責任を経験して、誰よりも率先して苦労しようとするし〝偉いなー〟と思っている」と、宝塚時代とは違う新鮮な関係性が舞台にもにじみ出ている。

 1980年代、不況にあえぐ英国の田舎町を舞台に、ダンサーを夢見る少年ビリーの成長を描く感動作。ウィルキンソンは、そのビリーの才能をいち早く見いだす元ダンサーで、2人それぞれ味わいの違う役作りも話題。「ちえはバリバリのダンサーだったという設定で、私はそこまででもないけれど、母性というか温かい先生になればいいな、と。家族のバックボーン、ビリーの周りのストーリーを考えると、大人の成長の話でもあると、毎回発見があります」と、充実した表情が印象的だった。(土谷美樹)
 
 ◇安蘭 けい(あらん・けい)1970年(昭45)10月9日生まれ、滋賀県出身の50歳。91年、首席で宝塚歌劇団に入団し雪組配属。00年に星組に組替えとなり06年、トップスターに。08年「スカーレットピンパーネル」の日本初演で主演し大ヒットにつなげた。09年4月に退団後は舞台を中心に活躍。身長1メートル67。愛称「とうこ」。


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