月組・珠城りょう㊤ 「舞台が大好き」改めて実感

[ 2020年9月26日 05:30 ]

舞台に立てない時間に「自分を見直すことができた」と話す珠城りょう
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 来年8月での退団が決まっている月組トップスター・珠城りょうの〝プレ・退団公演〟「WELCOME TO TAKARAZUKA/ピガール狂騒曲」が25日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した(11月1日まで。11月20日~来年1月3日=東京宝塚劇場)。

 コロナ禍を乗り越え、他の4組が次々に再スタートを切る中、トリを取る形で再出発した月組。「お稽古が中断した4カ月で、逆に舞台に立てる喜びを感じ、あらためて自分は〝舞台が好きなんだ〟と実感した」と話した通り、蓄積してきた力を爆発させるようにパワーアップして舞台に帰ってきた。

 シェークスピアのコメディー「十二夜」をモチーフにした「ピガール…」では、そっくりな兄妹と初めての2役にも挑戦。「着替えとかホントに大変」と笑いながら「自分以外の人生を生きられるから私はお芝居が大好き。今回はそういうことを2倍感じられる。自分でもワクワクしています」と胸を張った。

 珠城が次の大劇場公演「桜嵐記/Dream Caser」での退団を発表したのが3月17日。そこからすぐに新型コロナウイルス感染症の影響で稽古も中断した。「まさか、こういう形で延びるとは思っていませんでしたが、その分月組の皆と一緒に過ごせる時間がたくさんできたり、男役でいられる時間が増えるわけですから、そこまでしっかり成長し続けたい」と力を込めた。

 春に入団した第106期生も、同作でようやく初舞台を踏んだ。「純粋にキラキラしたまっすぐな気持ち。それが一番大事なんだって改めて気付かされました」。原点に立ち返りながらサヨナラの日に向かって、力強く再スタートを切った。
 
 ◇珠城 りょう(たまき・りょう)10月4日生まれ、愛知県蒲郡市出身。光ヶ丘女子高を経て08年初舞台。月組配属。恵まれた体格で早くから注目を集め10年「スカーレットピンパーネル」で新人公演初主演。13年「月雲の皇子」でバウホール初主演。14年からはダイキン工業のCMにも出演。16年9月トップ就任に。身長1メートル72。愛称「りょう」。 

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