珠城りょう(下) まだまだ新たなものを吸収すべく“大役”と向き合う

[ 2018年8月25日 12:21 ]

月組公演「エリザベート」(10・1まで宝塚大劇場、10・19~11・18東京宝塚劇場)

「まだまだいろんな物を吸収しろよ、と言われているみたい」と話す珠城りょう
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 月組トップスター珠城りょうが、黄泉(よみ)の帝王トートを演じるミュージカル「エリザベート」が8月24日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した(10月1日まで。東京宝塚劇場は10月19日〜11月18日)。恵まれた体格を生かし、半端ない存在感が印象的だ。

 2009年、瀬奈じゅんがトートを演じた同作に最下級生で出演した。「凄く大変そうで、エリザベートは“出るものじゃなく見るものだな”と思ったことをよく覚えています」と思い出を語った珠城。あれから9年。今度は自分がトートとして大劇場の大きな空間を支配している。「やっぱり他の作品とは違うんですよね。『エリザベート』となると稽古場の空気は重くなったり、ピリついたり。でも今、組のみんなもそれぞれ悩みながら前向きにやっているのが頼もしい」と目を細めた。

 体格的にも、存在感も役にぴったりだが、意外にも「自分にトートという役が回ってくるとは思っていなかった」という。「何を思って私にこの役を与えてくださったんだろう?と考えたりするんですが、“まだまだ新たにいろんなものを吸収しろよ”という意味でやらせてもらえているんだ、と思い日々向き合いたい」。千秋楽を迎えるころには、さらに頼もしいトップへと変貌しているはずだ。(土谷 美樹)

 ◆珠城 りょう(たまき・りょう)10月4日生まれ、愛知県蒲郡市出身。光ケ丘女子高を経て08年初舞台。月組配属。10年「THE SCARLET PIMPERNEL」で新人公演初主演。13年「月雲の皇子」でバウホール初主演。16年9月、入団9年目の早さでトップスターに。これは同7年目でトップに就いた天海祐希に次ぐ記録だった。身長1メートル72。愛称「りょう」。

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