【芸人イチオシ】「ナイチンゲールダンス」異例のナニワ逆上陸を企てる“神保町の王”

[ 2023年1月17日 07:30 ]

取材に応じたナイチンゲールダンス
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 若手芸人の登竜門「おもしろ荘」で話題を集めたのが、神保町よしもと漫才劇場でしのぎを削る「ナイチンゲールダンス」。ボケの中野なかるてぃん(28)とツッコミのヤス(29)によるコンビで“神保町ジャック”を果たした今、異例のナニワ逆上陸を企てている。

 女性芸人No.1決定戦「THE W」に出場した「ヨネダ2000」「エルフ」らが所属する神保町の漫才劇場が彼らの主戦場だ。単独ライブのチケットも完売が続出するなど劇場メンバーを引っ張る存在で、ヤスも「神保町の王です。みんなに負ける気がしない」と自画自賛するほど手応えを感じている。

 そこで次のターゲットに見定めているのが、東京ではなくお笑いの本場であるナニワ。「東京と大阪である程度ウケたら、もう全国どこでも大丈夫でしょう」と胸を張るヤスの言うことも、ごもっとも。中野も「あまり知られていない人の前で一発目からウケるようになりたい。売れていない今だからこそチャンス」と武者修行を絶好の舞台と捉えた。

 とはいえ、大阪殴り込みは、そう甘くはなさそうだ。22年のM―1グランプリの平均世帯視聴率は関東17・9%に対し、関西では。なんと30・1%。(ともにビデオリサーチ調べ)。13ポイント以上も上回っており、NHK紅白歌合戦か、サッカーW杯の日本代表戦に迫る勢い。お笑いは1年を通して最大の関心事と言えるだけに、ファンの目も相当、肥えている。

 ナイチンゲールダンスは、元日放送の日本テレビ「ぐるぐるナインティナイン」の人気企画「おもしろ荘」で2位を獲得。中野がヤスの周りをグルグル回り続ける「立ち位置ルーレット」というネタでは、有吉弘行(48)が「100個くらいみたい!」とおかわりを要求するなど大絶賛。本筋の漫才だけでなく、飛び道具もあり、笑いのバリエーションに富んでいる。

 2人は大学サークルで結果を残し、芸歴7年目のお笑いエリート。大阪の若手は、一度、関西で売れてから東京進出を果たして「2度売れないといけない」という不文律があるが、今回は逆パターンか。

 大阪には、よしもと漫才劇場だけでなく、“笑いの殿堂”なんばグランド花月も控えており、師匠から若手まで才能ある芸人がひしめき合っている。虎の穴とも言える本場で「ナニワ」風味も学べれば鬼に金棒。逆上陸は、芸人としての立ち位置を決める人生のギャンブルにもなりそうだ。

 ◇ナイチンゲールダンス 2017年4月結成。大学生時代からコンビで活動し、大学生M―1グランプリで優勝。NSC東京22期生で首席卒業。上方漫才協会大賞に20~23年までノミネート。
 ◇中野なかるてぃん(なかの・なかるてぃん) 1994年(平6)8月28日生まれ、山梨県出身の28歳。ボケ担当。7代続く医者家系だが芸人に。血液型A。
 ◇ヤス 1993年(平5)05月27日生まれ、長崎県出身の29歳。ツッコミ担当。全国高等学校サッカー選手権大会出場。けん玉2級。血液型A。

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