中野信子氏 凶悪犯罪者でサイコパスは「5分の1」「一般的な基準で裁いても彼らは反省するのでなくて…」

[ 2022年12月22日 11:58 ]

 脳科学者の中野信子氏(47)が、21日放送のABEMA「デマ投稿を許さない」(水曜後11・30)に出演。凶悪犯罪者の脳やサイコパスについて語った。

 インターネット上などでは「犯罪はある種、脳の病気」といった意見があるが、これについて中野氏は「結構、研究があるんです。凶悪な犯罪を犯した人の脳って調べられてるんですけど、メキシコとかドイツは割と研究が進んでいて調べてみると、前頭前野の眼窩(がんか)前頭全皮質って場所があるんですけど、目のくぼみの部分を眼窩と言いますよね。ちょっと上のあたりにその領域があるんですけど、ここの活動があまり高くない人はその可能性が高いです」と思考や創造性を担う脳の最高中枢で、前頭全皮質の表面にある「眼窩前頭全皮質」が影響しているとした。

 そして眼窩前頭全皮質は「活動が低いと何が起きるかというと、相手が今、痛みを感じてるなってのを感じにくかったり、人が血を流していても全然その痛みが分からないとか、自分の痛みも感じにくいんです。血が出ても“ふーん”って。犯罪を犯すのに便利な脳というか」と説明した。

 そういった脳の人は「悪気って言うのは一言で言うと、道徳は暗記科目と思ってる。自然に自分の中にあるものじゃないと思ってる。皆がこういうふうにするとおかしいと思うから、そういうように振る舞わないといけないと思ってる。痛がらなきゃいけないとか」と指摘した。
 
 また、凶悪犯罪者のうち「サイコパス」と呼ばれる人は「5分の1」と説明。「一般的にはサイコパシーの高い人って1%と言われているんですけど、凶悪犯罪者をサイコパシーの診断テストしていくとだいたい20%があてはまる」とした。

 MCの坂上忍が「痛みを感じない、言っても分からないって人が一定数いると、裁判かけたってしょうがないでしょ?」と質問。中野氏は「私たちというか、一般的な基準で裁いても彼らは反省するのでなくて、反省するとしたら“見つかっちゃったな”って反省の仕方。悪いことをしたって反省じゃないんです。悪いことをしたって見せかければ、あなたたちは許してくれるんですよね?と思ってるので、矯正、更生には当たらない」と反省を深め、矯正するのは困難とした。「どうしようもないです。例えば青色が分かりませんって人に青はこういうものだよって教えるようなものですね。青を見たときに他の人はこいういう反応をするんだって覚えて、見えたふりをするっていうぐらいのことしかできないです」とした。

 そして「人によっては“サイコパスは人間だけど人間の亜種なんだ”って言う人もいるぐらいです。普通の人とは脳の構造が違うから、子どもが作れるが種の定義ですけど、生殖可能だけれどもメカニズムが全然違うというふうに言う人もいます」と指摘。サイコパスには「遺伝要因があると言われてます。(成長過程でなるのは)ソシオパスと言われています。遺伝性のあるタイプの人をサイコパス、遺伝性がそんなに見られない人をソシオパスっていうふうに言い分けるってやり方が今の主流です」と説明した。

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2022年12月22日のニュース