服部五段、昇段初戦を飾れず 新人王戦第1局で敗戦「途中でバランスを崩した」

[ 2022年10月3日 17:19 ]

新人王戦第1局に敗れた服部慎一郎五段(日本将棋連盟提供)
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 将棋の服部慎一郎五段(23)が3日、大阪・関西将棋会館で黒田尭之五段(26)と争う第53期新人王戦3番勝負第1局に臨み、106手で敗れた。服部は先月30日に規定の成績を挙げ、五段に昇段してから初対局。振り駒の結果先手になり中盤まで優位に進めたが、相手の強気の受けに応接を誤ってようで逆転負けした。

 横歩取りからひねり飛車、しかも囲いは左王と、王飛接近の陣形を敷いた服部。これに黒田は金無双に近い構えで、その8筋に配した銀を端から活用した。服部の攻めの軸である飛車を逆に攻め返した。

 その後、服部飛車の成り込みは避けられないかに見えたが、両者の歩が不在の8筋を王自ら単身で守りにいく気迫の「顔面受け」。飛車を手渡した服部が攻めの糸口を見失い、投了した。

 「(序盤は)悪くないと思ったが、決定的な手もなく難しいと思った。途中でバランスを崩してしまった」

 今年度成績28勝9敗(未放映のテレビ対局を除く)とした服部は対局数、勝数ともに全棋士トップだが、最近10局は6勝4敗とペースが下降傾向。24日に関西将棋会館で指される第2局へ向け、「中終盤でしっかり読めるようにしたい」と巻き返しへの意欲を語った。

 7人が総当たりで藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖を含む5冠=への挑戦権を争う本社主催・第72期ALSOK杯王将戦の挑戦者決定リーグにも参戦中。初戦は羽生善治九段(52)に敗れたが、7日に渡辺明名人(38)=棋王との2冠=とのリーグ2局目を控える。王将リーグに新人王戦3番勝負と重要対局が続く秋、早くペースを取り戻したい。

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2022年10月3日のニュース