「鎌倉殿の13人」義時・小栗旬と今生の別れ 時政・坂東彌十郎が語る舞台裏「本当にありがとう」

[ 2022年10月3日 08:00 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第38話。時政(坂東彌十郎・右)義時(小栗旬)の北条親子は今生の別れ(C)NHK
Photo By 提供写真

 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は2日、第38話が放送され、歌舞伎俳優の坂東彌十郎(66)が好演し、初回(1月9日)から存在感を放ってきた鎌倉幕府初代執権・北条時政が鎌倉から追放された。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。鎌倉を舞台に、御家人たちが激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第38話は「時を継ぐ者」。激しさを増す北条親子による主導権争い。北条時政(坂東彌十郎)と妻・りく(宮沢りえ)は、三浦義村(山本耕史)に命じて3代鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人)を屋敷へと連れ込み、鎌倉殿の座を娘婿・平賀朝雅(山中崇)へ譲るように迫る。対する北条義時(小栗)は息子・泰時(坂口健太郎)弟・時房(瀬戸康史)八田知家(市原隼人)らを引き連れ、時政の屋敷を包囲。攻め込む機会を慎重に見定める。張り詰めた空気が鎌倉を覆う中、政子(小池栄子)は…という展開。

 「牧氏事件(牧氏の変)」(元久2年、1205年)。時政とりくの計画は失敗。時政は剃髪し、名越の館に、りくは鎌倉御所に監禁。実朝は時政の処分軽減を義時に訴え。文官との協議の上、伊豆への流罪が決まった。

 時政「伊豆か」

 義時「生まれ育った地で、ごゆっくり残りの人生をお過ごしください」

 時政「りくは、どうなる」

 義時「共に伊豆へ」

 時政「あれがいれば、わしはそれだけでいい。よう骨を折ってくれたな」

 義時「私は首をはねられてもやむなしと思っておりました。感謝するなら、鎌倉殿や文官の方々に。父上、小四郎は、無念にございます。父上には、この先もずっとそばにいてほしかった。頼朝様がお作りになられた鎌倉を、父上と共に守っていきたかった。父上の背中を見て、ここまでやってまいりました(涙がこぼれる)。父上は、常に私の前にいた。私は父上を…、私は…」

 時政「もういい」

 義時「今生の別れにございます。父が世を去る時、私はそばにいられません。父の手を、握ってやることができません(涙があふれる)。あなたがその機会を奪った。お恨み申し上げます」

 「元久2年、閏7月20日、初代執権北条時政が鎌倉を去る。彼が戻ってくることは二度とない(頭を下げる義時の肩に、時政が手を置く)」(語り・長澤まさみ)

 番組公式ツイッターに公開された「かまコメ(撮影直前・直後の音声コメント)」。彌十郎は「(昨年6月のクランクインから)本当にこの1年以上、(小栗&義時が)息子のような気がしていたので、凄くつらいというのと、逆に優しい気持ちになれたなって、最後ね。義時がどんどんどんどんつらくなって、ダークっぽくなってきていたのを見ていて、最後、別れる時に親として別れられたなという気がありましたね。こっちが一番迷惑を掛けたのに。だから、ある意味、つらいですよ。つらいですけど、『ありがとう』『本当にありがとう』という気持ちで、(小栗&義時に)肩に手を置けたかな」とラストシーンを述懐。

 「僕が映像(の仕事)に慣れていないのを本当によくフォローしてくださったり、『父上、大丈夫ですよ』と人に分からないように声を掛けてくださったりというのも全部ありましたから、すべてが頭に浮かんできましたよね。本当に『ありがとう』という、時政としても彌十郎としても、そういう感じでしたね」と小栗に感謝した。

続きを表示

2022年10月3日のニュース