藤井王位 豊島九段に99手圧勝でタイ!黒星スタートから4連勝防衛した昨年の再現だ

[ 2022年7月15日 05:10 ]

王位戦第2局を制した藤井聡太王位(日本将棋連盟提供)
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 将棋の第63期王位戦7番勝負第2局は14日、札幌市南区の定山渓温泉「ぬくもりの宿ふる川」で第2日を指し継ぎ、3連覇を期す先手の藤井聡太王位(19)=王将、竜王、叡王、棋聖含む5冠=が99手で挑戦者・豊島将之九段(32)を下し、対戦成績を1勝1敗のタイとした。第3局は20、21日に神戸市の「中の坊瑞苑」で行われる。

 局後の藤井はいつだって控えめだ。「変化が多くて分からない」「手が広く、どの対応がよかったのか…」「判断しきれないところが多かった」などなど。まるで敗者の弁だが、勝ったのは間違いなく藤井だ。それも快勝と言っていい。

 第1局に続く角換わりを「予定通り」に選んだ。第1日の午前中から1筋の端攻めを敢行する激しい手順は「この形の攻めをやってみたかった」と明かす。豊島の練ってきた作戦に翻弄(ほんろう)された前局のお返しとばかりに序盤早々からパンチを繰り出す。第1日の昼食休憩を挟んで175分の長考を強いられた豊島は香成りで飛車取りと踏み込んだが、この付近から形勢の針は藤井に傾き始めた。

 飛車を見捨てて猛攻を継続。「後手王を逃がしてしまうが、他の指し方が分からなかった」という進行も、豊島王の耐久力をじわじわと無力化させるに十分だった。最終盤は自王頭への猛反撃を受けたものの、冷静に対応して攻めの手番を獲得。あとは勝利へのレールに乗るだけだった。

 藤井にとって王位戦での北海道開催は3回目となる。過去2回はともに逆転勝ちという劇的な内容だった。思い返せば旭川での昨期第2局、豊島相手に中盤から大きなリードを許し、消費時間も倍以上開く苦しい戦いを剛腕でひっくり返した。このシリーズも初戦を落としていたが、以降4連勝と波に乗ってタイトルを防衛した。

 まるで1年前をコピー&ペーストした星取りだ。しかし今年は終始優位を保っての勝ちっぷり。当時の2冠から5冠にレベルアップした藤井には一層の風格が漂っている。

 神戸での第3局は5日後に設定されている。「しっかりとよいコンディションで臨みたい」。その前に17日には地元・名古屋で行われる第93期棋聖戦5番勝負第4局で永瀬拓矢王座(29)と一戦交えなければならない。こちらは勝てば3連覇。19日の誕生日を前に10代最後となる大きな対局が待っている。

 《昼食はともに「エビカレー」》昼食は藤井、豊島ともに「エビカレー」。2日連続して同じメニューの「相昼食」となった。藤井は2日制タイトル戦では第2日にカレー系を注文することが多い。豊島はドリンクに「お~いお茶」を追加した。午前のおやつは藤井がアイスをもなかで挟んだ「MONAKA(キャラメルポワール)」とアイスコーヒー。豊島は定番の「フルーツ盛り合わせ」。藤井は、最近のタイトル戦午後の定番のダブルドリンクだった。

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