緊張の初大河 源頼家役・金子大地 憧れの“父”大泉洋のようになりたい

[ 2022年7月15日 05:30 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源頼家を演じている金子大地(C)NHK
Photo By 提供写真

 俳優金子大地(25)が、NHK大河ドラマ初出演となる「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)で源頼家を演じている。父・源頼朝の跡を継ぐ2代将軍。頼家の指導力が不足したことで集団指導体制「13人の合議制」が設けられ、物語は大きく動き出す。頼朝を演じた大泉洋(49)は、同じ北海道出身で憧れのスター。父子を演じた経験は大きな糧になりそうだ。

 初の大河で任されたのが鎌倉幕府の2代将軍。金子は「豪華な出演者の中で一番偉い役を演じなきゃいけない。最初はもうガッチガチでしたね」と振り返る。劇中で誰よりも長い烏帽子(えぼし)をかぶって高座に座るが「スタジオの前室では端っこのパイプ椅子で静かにしてました」と笑った。

 18歳で将軍に就いた頼家は、御家人らの権力闘争に巻き込まれる。周囲は年上の大人ばかり。その状況は撮影現場で最年少の金子も似通っていた。「不安や重圧はあるけど“演じきってやる”という自分の気持ちが、頼家の“やってやる”という少し背伸びした思いに重なった」。主演の小栗旬(39)ら大先輩を前にしても、自然と力強く演じることができた。

 初挑戦の時代劇。「正解のない歴史上の人物の役は難しかった」と苦悩もあった。「頼朝と北条政子の子だから、絶対に才能を引き継いでると思う。暴君で嫌われがちの人物だけど、欲まみれの大人たちに囲まれながら、本当に一生懸命生きたはず」。想像をめぐらせて役を作り上げた。

 大きな喜びは大泉と父子役を演じたことだ。北海道出身の金子にとって、大泉は物心ついた時からのスター。「本当にうれしかったです。あんなにも太陽のような人は初めて出会いました。いるだけで現場が明るくなる」。撮影初日から大泉が話しかけてくれたことで、落ち着いて撮影に入れた。「優しさ、人間力、懐の広さがあるから、頼朝を演じられるんだなと。本番になると、物凄いスイッチが入る。父のデカさを感じました」と敬意を持って語る。

 大泉も金子を息子のようにかわいがり「(頼朝として)もっと生きたかった」と名残惜しそうに語っていた。劇中で頼朝は「女好きはわが嫡男の証だ」との言葉を残して死んでいった。緊迫感のあるシーンだったが「2人で“それが最後の言葉か”ってゲラゲラ笑いました」。撮影の裏側では笑いの絶えない父子だった。

 大河初出演を足がかりに、さらなる飛躍が期待される。「おこがましいし、どう頑張っても勝てないけど、大泉さんのようになりたい」。父の背中を追いかけていく。

 ◇金子 大地(かねこ・だいち)1996年(平8)9月26日生まれ、北海道出身の25歳。14年に所属事務所のオーディションの俳優・モデル部門を受賞し芸能界入り。19年のNHK「腐女子、うっかりゲイに告る。」でドラマ初主演。18日スタートのフジテレビ系ドラマ「魔法のリノベ」に出演する。特技はバスケットボール。1メートル79。血液型A。

続きを表示

2022年7月15日のニュース