紅白歌合戦 2年ぶり有観客開催へ 会場は東京国際フォーラム

[ 2021年10月7日 05:31 ]

2019年の紅白歌合戦
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 大みそかに放送される「第72回NHK紅白歌合戦」が、今年は有観客で行われることが6日、分かった。近く正式に発表される見通し。昨年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で史上初の無観客開催だったが、アーティストたちの2年越しの思いがかない、観覧者の前で美声を響かせることになった。

 今年は東京・渋谷のNHKホールが耐震工事で休館のため、東京国際フォーラム(千代田区)が会場となる。約5000席のホールAの使用を検討中で、約3600席のNHKホールよりも収容人数が多くなる予定。同局関係者は「会場も広いため、感染対策を徹底した上で安全を担保しながら観客を入れることが可能」と語っている。

 かねて同局は、有観客開催に強い思いを抱いていた。昨年無観客を決断した際、正籬聡放送総局長は「断腸の思いだった」と語っていた。

 審査方法も昨年は視聴者投票のみとなり、放送後には「やはり観客審査は重要」との意見が局内外で上がった。歌手からも「お客さんの前で歌ってこその紅白」との声が寄せられていた。

 8月には愛知県常滑市で行われた野外音楽イベント「NAMIMONOGATARI2021」で対策が徹底されなかったことが問題となり、音楽業界に逆風が吹いた。それでも慎重な議論を重ね、感染者数の減少やワクチン接種の普及率なども考慮し、有観客へと踏み切った。

 前日5日の「うたコン」では、座席数を収容人数の半分以下にするなどした上で観客を入れて約4カ月ぶりに東京国際フォーラムで生放送を行った。紅白の実施方法について関係者は「今後の感染状況や年末の様子なども考慮しながら臨機応変に対応していく」としている。49年ぶりにNHKホール以外の会場で開催されることになった今年の紅白。コロナを乗り越えた上での第一歩。現地の観客も歴史の目撃者となるだろう。

 ≪東京各地から中継も検討中≫今年の紅白は、東京国際フォーラムで最も大きなホールAをメイン会場とする予定。ただステージ裏がNHKホールほど広くないため、セットチェンジやエキストラの入れ替えなどに手間取る可能性があり、ホールB~Eなどの使用も検討中だ。東京五輪・パラリンピックの会場となった国立競技場をはじめ、東京アクアティクスセンターや有明アリーナなどさまざまな場所から中継をつなぎ、東京各地からアーティストが歌を届けるプランも浮上している。

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2021年10月7日のニュース