「おかえりモネ」亜哉子が涙の告白 教師を辞めた理由 鈴木京香も震えた「あんな緊張は」一際光る存在感

[ 2021年10月7日 08:15 ]

連続テレビ小説「おかえりモネ」第104話。心に秘めていた過去を打ち明ける亜哉子(鈴木京香・左)(C)NHK
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 女優の清原果耶(19)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は7日、第104話が放送され、女優の鈴木京香(53)が好演している主人公・百音(清原)の母・亜哉子が長年胸に秘めてきた思いを打ち明けた。鈴木は「あんなに緊張することは、なかなかありません」と手が震えるほど重要なシーンだったと述懐。最終章となる第3部「気仙沼編」に入り、一段と存在感を増している。

 <※以下、ネタバレ有>

 朝ドラ通算104作目。清原とタッグを組んだNHK「透明なゆりかご」やテレビ東京「きのう何食べた?」などで知られる安達奈緒子氏が手掛けるオリジナル作品。朝ドラ脚本初挑戦となった。タイトルにある「モネ」は主人公・永浦百音(ももね)の愛称。1995年に宮城県気仙沼市に生まれ、森の町・登米(とめ)で青春を送るヒロイン・百音が気象予報士の資格を取得し、上京。積み重ねた経験や身につけた技術を生かし、故郷の役に立ちたいと奮闘する姿を描く。

 第104話は、百音(清原)が仕事をしていると、中学生のあかり(伊東蒼)が再び現れる。実は、あかりは亜哉子(鈴木)の元生徒なのだという。百音はあかりを永浦家に連れていき、亜哉子は6年ぶりの再会を喜ぶ。しかし、あかりが帰ったその夜、百音と夕食の準備中、亜哉子の様子が急変。今まで心に秘めていた思いを涙ながらに語り始める…という展開。

 亜哉子「ホントにちっちゃかったのよ。かわいかった。(小学)1年生だもんねぇ、あの時、あの子たち…。あの時、学校で、私、子どもたちを守ろうと必死だった。でも、あの長い夜の一瞬。ううん、一瞬っていうのは都合のいい言い方かな。どれぐらいだろう。10分ぐらいかな。私…あなたたちのこと考えてたのよ。モネは、お父さんと一緒だからきっと大丈夫。でも未知は?おばあちゃんと2人で家にいるの?いや、きっと避難してるはずだ。あぁでもモネ、仙台でお父さんとはぐれてたら。未知は?あの子、大丈夫?モネも未知も泣いてたら。気がついたら、私…学校から出ようとしてた。あなたたちよりもっと小さい、あかりちゃんたちを、置いていこうとしてた」

 震災の日の自責の念が、のちに教師を辞める理由の1つになった。

 鈴木は「まず、亜哉子はこのことを夫の耕治さん(内野聖陽)には話していたのかな、あるいは他の誰かに相談したのかな、と考えましたが、もう一度台本を確認しても、やっぱり誰にも打ち明けていない。約10年も胸に秘めてきて、これからも誰にも言わないと決めたはずのことを、今から告白するんだと思うと、本番前に何だか手が震えてきまして。台所のシーンからだったので(食器がぶつかって)音が出てしまわないか、心配になったり。あんなに緊張することは、なかなかありません」。百戦錬磨の鈴木をして震えるほどプレッシャーのかかる場面となった。

 「亜哉子と本当に同じ気持ちになって緊張しましたが、とにかくモネにはちゃんと話そうと、このシーンに取り組みました。果耶ちゃんがしっかり『分かった』という表情で受け取ってくれたのが、うれしかったです」と清原の受けの芝居に感謝。「モネに聞いてもらった後は、もう本当にスッキリしました。みそぎが済んだような感じ。コロッと生まれ変わったように、ニコニコして元気になりました」と解放感に浸ったことを明かした。

 SNS上には「亜哉子さん、それは普通だよ。責めることないよ」「一番気丈に振舞っていた亜哉子ママの涙が一番つらい」「ああっ、朝っぱらから亜哉子さんの胸の痛みで大泣き」「亜哉子さんの母親として教師としての葛藤。涙が止まらない」「蘇った当時の感情が湧き出てきて、わー!っと吐露するんじゃなく、大きくため息ついて、いったん自分を落ち着かせようとする実に細やかな鈴木京香さんのリアルな演技」などの声が続出。放送終了後(午前9時)には「亜哉子さん」がツイッターの国内トレンド6位、「鈴木京香」が16位に入り、反響を呼んだ。

 第96話(9月27日)から最終章となる第3部「気仙沼編」に入り、鈴木&亜哉子の存在感が一際、光っている。

 第97話(9月28日)、実家に戻った百音を「お帰り、モネ」と出迎え“タイトル回収”。地元に貢献したいと東京を離れた百音に、亮が(永瀬廉)が「綺麗事にしか聞こえないわ」と“本音”をぶつけたため、不穏なムードになった第99話(9月30日)冒頭。「あんまりいいお酒じゃないねぇ。この辺にしとこうか。はい!とにかくみんな家帰って寝る!そして、朝起きて働く!分かったぁ?返事は?」と明るく場をお開きにした。

 鈴木の朝ドラ出演はヒロイン・真知子役を演じた91年前期「君の名は」、2017年後期「わろてんか」に続く3作目。今回演じるのは、仙台出身の元小学校教師・永浦亜哉子。耕治との結婚後は、亀島の人々の明るさと温かさに惚れ込み、移り住んだ。今は義父・龍己(藤竜也)のカキ養殖業を手伝い、島と本土と結ぶ橋が完成したことから義母・雅代(竹下景子)と営んでいた民宿再開も考え始めた。

 89年に女優デビュー。「君の名は」が原点の1つに。そして今回、ヒロインの母親役として凱旋を果たした。

 「『君の名は』は収録前に特訓期間もあって、実際は1年4カ月くらいNHKに通ったことになると思います。大学を卒業して、そのまま1年4カ月、演技の学校に通わせていただいたような感覚。一から学ばせていただいて、自分にできないこともハッキリして、やはり私にとって朝ドラは『学校』というイメージが強いです。今回も毎日NHKに来るので、そういう気持ちがまだ抜け切れない部分もあります。モネちゃんや未知ちゃん(蒔田彩珠)をはじめ、若い役者さんたちの表現の仕方も、私の当時とは変わってきていて『時代って、こう移りゆくんだ』」『彼ら彼女らの感覚って面白いな』と、とても刺激になっています。『モネと未知に学べ』が、最近の私のモットー。そういう意味で、今回も『学校』。ちょっと嫌ですよね、この年の女学生って、周りが嫌がりますよね(笑)。ロケが多いドラマと違い、毎日NHKのスタジオに通う朝ドラは生活のリズムも整うんです。その意味でも、いまだに『学校』だと感じます。この仕事を始めた当時、本当に何もできてなかった自分に、いろいろとアドバイスをしてくださった先輩たちや、励ましてくださったスタッフの皆さんのことを思い出します。ヒロインをやらせていただいた上に、ヒロインのお母さんとして朝ドラに戻ってくる機会を頂いて、とにかくうれしく思っています」

 清原や蒔田の演技については「例えば、相手の台詞を聞いている時の表情。『素のまま』というのは簡単なんですが、敢えて表に出さなくても、にじみ出るような表現の仕方というんでしょうか。とても素晴らしいですよね。『カメラを意識して、伝えるために表現するんじゃない表現』とでもいうんですかね。『自然体』という言葉を使うのは、あまり好きじゃないので…『一体化』ですね。役と一体化していると強く感じます」と絶賛した。

 4回目の朝ドラ登板については「今回は本当に素敵な竹下さんに憧れるお嫁さんの役を頂いて、それが本当にうれしくて。柔らかなムードを現場に運んでくださる竹下さんのような存在に憧れますので、次回チャンスがあれば、そんなおばあちゃん役を是非演じられたらと思います」と亜哉子のような柔和な笑みを浮かべた。

 百音&未知はもちろん、“亀島の母”として島の子どもたちを見守り、支え続ける。

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