ロッテ・朗希 由伸に投げ勝った 7回1安打無失点11K「朗希コールのおかげで頑張れた」

[ 2023年4月15日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ2-0オリックス ( 2023年4月14日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>好投した佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 ロッテの佐々木朗希投手(21)が14日、オリックス戦で7回1安打無失点で今季2勝目を挙げた。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で共闘した山本由伸投手(24)とのプロ入り後初の投げ合いでアドレナリンが全開となり、メジャー8球団のスカウトも視察する中で5回まで完全投球。大会期間中に覚えた曲がりの大きいスライダーもさえ渡って2試合連続の2桁となる11三振も奪い、6回1失点だった山本に投げ勝った。

 今季最多2万9088人のファンで埋まった本拠地に響く「朗希コール」。6日の今季初登板で初勝利を挙げた前回のヒーローインタビューで「佐々木より朗希の方が…」とリクエストした背番号17は「(山本は)WBCも一緒に戦って、優しい先輩なので投げ合う機会があってうれしい。朗希コールのおかげで頑張れた」と笑った。

 ともに侍ジャパンの先発の柱としてWBCで共闘し、準決勝のメキシコ戦ではリレーも実現した尊敬する山本とのプロ入り後初の投げ合い。「1点取られたら勝てない」との思いを胸に序盤から出力全開だ。160キロ超えを連発し初回先頭・茶野から2回先頭の杉本まで4者連続三振に斬るなど4回までに10奪三振。5回までは一人の走者も許さなかった。ファンは昨年4月10日の同戦で達成した完全試合の再現も期待したが、6回先頭の西野に四球を与え、続く若月に初安打となる中前打。それでもピンチを無失点に抑えた。最速は163キロを記録。7回までに105球を投じ1安打無失点、11三振を奪った。

 配球に大きな変化があった。超一流選手たちと過ごしたWBC。期間中にダルビッシュ(パドレス)からスライダーの握りや指先の使い方を教わった。大会後はWBC公式球から再びNPB球へ対応するために調整し、昨年までのスライダーよりも変化量がアップ。捕手を務めた佐藤都も「曲がり幅が大きくなった。カウントも取れるし、決め球にもなる」と絶賛する。前回登板でわずか3球だった同球種は17球に激増。2回2死で迎えた中川圭では外角に大きく変化させて空振り三振を奪った。

 精神面でも変化があった。全員が野球小僧となって感情を表に出して世界の頂点を目指したWBC。そんな“侍イズム”に触発され、今季はより感情が表に出るようになった。4回に茶谷が先制打を放つとベンチでガッツポーズ。お立ち台では「ちょっと無理かなと思ったんですけど、さすがです」と先輩をいじり、笑いを誘った。

 「後のことは考えず最初に勢いをつけていこうと。後半はバテました」と苦笑いを浮かべたが、2年連続で沢村賞に輝いた右腕に投げ勝ち、これで今季は2試合、13イニングを投げ被安打2で無失点、計22奪三振。将来のメジャー挑戦も夢見る怪物右腕の“無双”ぶりは、しばらく続きそうだ。(大内 辰祐)

 ≪ダル直伝スライダー≫佐々木朗はスライダーを前回登板の3球から17球と飛躍的に増やした。割合では3.7%から16.2%まで上昇。昨季の球種構成は直球とフォークだけで89.6%を占め、スライダーが5.3%で、カーブは5.1%だった。カーブは今季、1球も投げておらず、スライダーの比重が高まっている。

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