野村謙二郎氏 8回ヤクルト・村上の裏をかいた広島・ターリー&坂倉バッテリーの見事な配球

[ 2023年4月15日 05:00 ]

セ・リーグ   広島1―0ヤクルト ( 2023年4月14日    マツダ )

野村謙二郎氏
Photo By スポニチ

 【野村謙二郎 視点】広島・大瀬良―ヤクルト・小川は開幕戦の再戦。小川は制球が素晴らしく、前半は直球主体に投げ、途中から緩い変化球を使い始めた。それが頭にあったからだろう。広島打線は直球に押され、なかなか捉えきれなかった。捕手・中村の配球の妙と言っていい。

 そんな中で6回、詰まりながら内角直球を中前に運び、決勝点を呼んだ代打・松山は特筆ものだ。敵失による1点が勝敗を分けたものの、安打を許しながら要所で8三振を奪った大瀬良、さらには小川、両エースの投げ合いは見応えがあった。

 8回に救援したターリーも見逃せない。中でも昨季2発を被弾した村上への投球が圧巻だった。2死一塁で初球の変化球がスッポ抜けて暴投となり、一走は二進。続く2球目、村上はターリーの一番の武器である直球が来ると予想したはずだ。

 ところが変化球。村上は3球目の外寄りスライダーをうまく捉えたものの、直球の意識があったせいか腰が入らず、大きな中飛に終わった。一塁が空いていたとはいえ、勇気を持って変化球を投げさせた捕手・坂倉のリードも見事だった。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

この記事のフォト

2023年4月15日のニュース