阪神・伊藤将 左腕エースの自覚「自分が手本にならなければいけない」巨人戦2戦連続完封

[ 2022年7月15日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3-0巨人 ( 2022年7月14日    甲子園 )

<神・巨> 完封で6勝目を挙げ、梅野(右)と喜ぶ伊藤将 (撮影・成瀬 徹)
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 阪神・伊藤将司投手(26)が14日の巨人戦でプロ2度目の完封勝利を挙げた。自己最多9三振を奪い、4安打に抑えて圧倒。巨人からの2戦連続完封は球団では85年ゲイル以来、10度目(8人目)。生え抜きでは69年江夏豊以来、53年ぶりの快挙だった。5連勝で6勝目。甲子園では昨年9月から8連勝へ伸ばし、5月26日に最大10・5ゲーム差あった2位に1・5差まで接近した。

 涼しげな表情が揺らぐ場面は、ほとんどなかった。普段の打たせて取る投球とは違い、自己最多9奪三振。宿敵から再び挙げた完封の余韻を、伊藤将はしみじみとかみしめた。

 「まさか巨人に2回も完封できるなんて思っていなかった。多くのファンの方が見る伝統ある試合で、こういうピッチングができたのでよかった」

 ヤクルトのコロナ禍で中11日の登板。「(調整が)難しかった」という言葉とは裏腹に“制圧”の2文字が似合う快投だ。「ストレートでカウントが取れたのがよかった。両サイドに投げきることができた」。打者32人に対し、3ボールまでいったのは唯一四球を与えた7回先頭のポランコだけ。常にストライク先行でテンポよくアウトを積み重ねた。

 特に昨季9打数4安打、打率・444と打ち込まれた丸には内角直球の精度も高く3奪三振。「今後も戦っていくので、ずっと打たれていたらダメ。丸さんのときにはしっかり丁寧にコーナーに投げることができていた」とうなずいた。

 巨人からの2戦連続完封は生え抜きでは69年江夏豊以来。「江夏さんですか?うれしい」。5連勝へ伸ばし、特に最近4試合はいずれもハイクオリティースタート(7回以上、自責2以内)を達成。規定投球回未満ながら防御率1・93まで良化した。

 入団2年目でも垣間見えるのは“柱”としての姿勢だ。「左の先発で年上は(高橋)遥人さんだけ。自分が手本にならなければいけないし、参考になるような投手になりたい」。主にキャッチボール相手だった秋山が2軍調整になった後は西純ら後輩と組む機会も増えた。

 「アキさんのおかげでキャッチボールの大事さなどを教わった。自分も下に教えられるように」

 13年ぶり巨人戦4カード連続勝ち越しを呼び、開幕9連敗以降では2位に最接近。師匠・能見がかつて担った「左腕エース」の座へ、着々とステップを踏みつつある。(阪井 日向)

 《球団左腕で江夏以来53年ぶり》伊藤将(神)が5月22日に続き巨人戦2試合連続完封。阪神投手では85年のゲイル以来37年ぶり8人目で10度目。左腕では68、69年に合計3度マークした江夏豊以来53年ぶり2人目。2戦とも甲子園で達成も68年9月17、19日の江夏以来2度目だ。チームも13日と2試合連続で巨人を完封。巨人戦の連続試合無失点は13年4月9~11日の3試合連続(2勝1分け)以来9年ぶり。連続試合完封は12年4月6、7日の2試合以来10年ぶり。

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