東京学館の1年生“伝承者”千葉ケン志朗 アタタ3安打コールド発進「甲子園に行きたい」

[ 2022年7月15日 04:00 ]

第104回全国高校野球選手権千葉大会・2回戦   東京学館8ー0成田北 ( 2022年7月14日    大谷津 )

<東京学館・成田北>3安打2打点をマークした東京学館・千葉
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 狙いを定めるように、バットを投手方向に垂直に立てる。その風格は1年生離れしていた。東京学館の6番・千葉ケン志朗(けんしろう)にとって高校公式戦デビュー戦。初回1死二、三塁の初打席、2球目を捉え、打球は高々と舞い上がった。成田北外野陣の秘孔を突く、中越え2点二塁打で流れを呼んだ。

 この回5安打を集め5得点で、主導権を握った。3回先頭では左中間を真っ二つに割る二塁打。6回も左前打で3安打2打点。「期待に応えようとしました」。期待以上の打撃で敵を沈めた。

 3年生一塁手が大会直前に負傷。開会式の前日に急きょベンチ入りが決まり「うれしかったです」。一塁で出場したが「自分は捕手です」と思いを口にする。本職での出場ではなかったが、快勝の立役者となった。

 その名から連想される人気漫画「北斗の拳」の主人公・ケンシロウのごとく、打席での眼光は鋭く、口数は決して多くない。5人きょうだいの「4番目です」。くしくもケンシロウと同じ四男。ただ、その名の由来は干支(えと)で「自分は戌(いぬ)年なので、ケン(犬)です」。他のきょうだい4人も全て、干支に由来する名を授けられた。

 シード校として臨む夏初戦は7回コールド発進。「足を引っ張らず甲子園に行きたいです」。正一塁手離脱の危機を救った立役者。初の聖地に導く救世主伝説が千葉に響くか。(田中 健人)

 ◇千葉 ケン志朗(ちば・けんしろう)2006年(平18)10月29日生まれ、千葉県出身の15歳。小2で野球を始め、山王中では「千葉西シニア」に所属し、主に捕手としてプレー。東京学館では今夏からベンチ入り。1メートル76、80キロ。右投げ右打ち。

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2022年7月15日のニュース