ドラフト候補の天理・戸井が驚打球 三塁手の捕球寸前で突如ホップ 右投げ右打ちの遊撃手にプロも熱視線

[ 2022年7月15日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権奈良大会・2回戦   天理9-0関西中央 ( 2022年7月14日    佐藤薬品スタジアム )

<天理・関西中央>5回無死二塁、天理・戸井は三塁強襲安打(撮影・井垣 忠夫)
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場校を決める地方大会は14日に各地で開催され、奈良大会では天理が春夏連続出場へ快勝で発進した。今秋ドラフト候補の戸井零士(3年)は決勝犠飛を含む2打数1安打だった。

 チームに漂う夏の初戦ならではの硬さを、主将・戸井が持ち前のフルスイングで振り払った。3回1死二、三塁。いとも簡単に中堅へ犠飛を打ち上げて先制を決めると、一気に打線は活性化した。若干ミートポイントがずれて外野の頭こそ越えなかったが、潜在能力を示すには十分だった。

 「打てば1点が入る場面。練習してきた、走者に応じたケースバッティングができた」

 5回には戸井ならではの“珍事”も起きた。無死二塁から放った三塁正面への痛烈なライナーは三塁手の捕球寸前で突如ホップし、左前へ。あまりの打球の速さに二塁走者が本塁突入をあきらめたほど。本人の「スイング力には自信がある」という言葉はうそではない。

 阪神、DeNA、オリックス、ロッテの4球団が視察。オリックスの谷口悦司スカウトは「1球目から思い切り振れるのが良さ」を特長に挙げ、「右投げ右打ちの遊撃手」として希少価値の高さを認めた。

 昨秋以降、1日2キロの米を食し、ウエートトレも積極的に取り入れて、10キロ近い体重増に成功。すべては夏切符に加え、自らの夢をつかむためだ。「プロに入って、楽天の浅村選手のように、勝負強い打者になりたい」。浅村、カブス・鈴木らの動画を日々研究する17歳。躍進の夏へ、大きな一歩を踏み出した。(八木 勇磨)

 ◇戸井 零士(とい・れいじ)2005年(平17)1月18日生まれ、大阪府松原市出身の17歳。市立中央小時代から松原ボーイズに所属。松原第三中1年時に侍ジャパンU―12の一員としてW杯に出場し、首位打者を獲得。天理では1年秋からベンチ入り。高校通算13本塁打。1メートル81、82キロ。右投げ右打ち。

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2022年7月15日のニュース