張本勲氏 阪神・近本に「あっぱれ」40戦連続安打も不可能ではない

[ 2022年7月7日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―2広島 ( 2022年7月6日    甲子園 )

祝福を贈った張本勲氏

 阪神・近本に文句なしに「あっぱれ」の言葉を贈りたいね。阪神のマートン、そして巨人時代の私。30試合連続安打で、伝統の巨人と阪神の球団記録に並んだ。巨人移籍2年目の私の記録にもスポットライトを当ててくれたことにも感謝している。

 ヒットメーカーとしての条件を満たしたからこそ、連続試合安打が続いている。一塁に近い左打者であること、足が速いこと、そして高いミート力があること。最近の近本はこの3つの武器を最大限に発揮している。1番から3番に回ったことで、相手のマークもより厳しくなってくる。それでも打ち続けることが出来るのは、常日ごろの準備のたまものだと言い切れる。

 足を上げる近本のバッティングには注目していた。タイミングの取り方は難しいタイプだ。タイミングのポイントを、上げたところで取っているのか、足の下りぎわなのか。取り方は各人各様だが、タイミングが合わないと、ボールはなかなか拾えない。工夫と研究があってこその記録だと思う。

 76年の30試合連続は阪神戦から始まり、6月20日の阪神戦まで続いた。状態は万全ではなかった。腰や膝に故障を抱えていたから、巨人でなかったら休んでいたかもしれない。応援してくれる少年ファンの真剣な目が痛みを克服して打ち続ける力になった。近本も同じ思いを持っているはずだ。

 まだ通過点。40試合連続安打まで記録を伸ばすことも不可能ではない。チャンスだから一打席一打席に集中し、首位打者に向けて走ってほしい。バットマンとして応援している。(スポニチ本紙評論家)

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2022年7月7日のニュース