日本ハム・有薗3打席3三振デビュー 新庄監督は「長嶋茂雄監督の3三振的な。これからっしょ!」

[ 2022年6月22日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム0-3楽天 ( 2022年6月21日    秋田 )

<楽・日>7回、この日3つ目の三振に倒れ悔しがる有薗(撮影・沢田 明徳)
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 大きな喜びと、凄い緊張と、そして悔しさが交差した。日本ハムのドラフト2位ルーキー・有薗のプロデビュー。3打席3三振という無念の結果の向こうに明るい光が見えた。

 空振り三振、見逃し三振、見逃し三振。バットには1球(ファウル)しか当たらなかった。だけど、それでいい。「9番・DH」で先発起用した新庄監督は将来への期待を込め、満面の笑みをたたえて熱くこう言った。「3三振かな?長嶋茂雄監督(現巨人終身名誉監督)の3三振的な。これからっしょ!まだまだ」。

 ビッグボスが連想したのは長嶋氏の伝説的なデビュー戦だ。1958年4月5日、巨人のゴールデンルーキー長嶋は国鉄のエース金田正一の前に4打席4三振を喫した。それがミスタープロ野球の礎ともなった。「4三振」を「3三振」と言い間違えたが、期待の大きさには変わりはない。新庄監督は「緊張してたね。見極めがあまりできてなかったかな。まあ、硬くなりますよ」と続けた。

 百戦錬磨の楽天のエース則本に対し、3回のプロ初打席はワンバウンドするフォークに空振り三振。5回1死では143キロ直球で見逃し三振に倒れた。7回2死一、二塁のチャンスも左腕・鈴木翔の前に見逃し三振。ただ、チャンスにそのまま打席に立たせてくれたのは期待の表れだ。

 「最初は結構、緊張しました。初球から行けなかったのが打てなかった原因。(見逃し三振は)最後、手が出なかった」。有薗は冷静に振り返ると、すぐ次を見据えた。「凄くいい経験ができた。一球一球がいい球しか来ない。やっぱり違います。次、機会があれば2軍でやった気持ちを忘れずやりたい」。

 長嶋氏と同じ千葉県出身のスラッガー。この日の3三振が有薗を大きく育てていく。

 ◇有薗 直輝(ありぞの・なおき)2003年(平15)5月21日生まれ、千葉県旭市出身の19歳。中学では佐倉シニアに所属。千葉学芸では1年春からレギュラーとなり、3年春は「3番・三塁」で同校初の県大会優勝に導いた。夏は千葉大会4回戦で敗れ、甲子園出場なし。高校通算70本塁打。今季イースタン・リーグ31試合出場で打率・274、2本塁打、11打点。1メートル85、97キロ。右投げ右打ち。背番号39。

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