日本ハム・輝星「地元・秋田で投げられて幸せ」4回まで1安打の粘投に新庄監督も“合格点”

[ 2022年6月22日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム0ー3楽天 ( 2022年6月21日    秋田 )

<楽・日>初回、ロジンをつけて投球に備える吉田(撮影・沢田 明徳)
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 日本ハムの吉田輝星投手(21)が、プロになって初めて地元・秋田での登板を果たした。先発して4回までは無失点。5回に2点を失い、4回1/3降板で黒星を喫したが、18年に金足農を秋田県勢103年ぶりの夏の甲子園決勝に導いたヒーローに温かい拍手が降り注いだ。チームは4連敗で今季最多を更新する借金15となった。

 下を向いてベンチへ下がる吉田に、この日一番大きな拍手が送られた。0―0で迎えた5回に太田に2点適時打を浴び、さらに武藤に右前打を許したところで無念の降板。凱旋登板を勝利で飾ることはできなかったが、吉田は「悔しい結果に変わりませんが、地元・秋田で投げることができてとても幸せです」と明るく前を向いた。

 18年7月24日の秋田大会決勝以来、1428日ぶりのこまちスタジアムでの登板。両親に高校時代の監督、仲間、教員らが集まり、球場入りには1000人近い観客が長蛇の列をつくった。一球一球に「敵地」であるはずのスタンドが熱を帯び「こんなにも声援をもらえるとは思っていなかった」と吉田。相手先発・則本が「僕たちより彼の歓声が凄くて。ビジターかなと思った」と言うほどの“ホーム”と化していた。

 声援に後押しされ、バックの好守にも助けられた。4回までわずか1安打投球。今季最長イニングとなった5回につかまる結果となったが、「本当は3回くらいで疲れていましたけど、体力以上のものが出せたかなと思います」と感謝した。

 こまちスタジアムは吉田にとって“原点”の球場だ。小学6年時にヤクルト主催の巨人戦を観戦。阪神ファンの友人に勧められて阪神グッズを着用し、巨人側の左翼席で観戦したことで「めっちゃ巨人ファンににらまれた」と笑いながら振り返るが、150キロを計測するプロの投手たちを見て「格好いいな」と憧れを抱いた。高2夏の秋田大会決勝は明桜に敗れるも、翌年に決勝で雪辱したのも“ここ”だった。

 金足農時代以来の甲子園での公式戦だった前回先発、5日の阪神戦は力みから3回4失点。新庄監督はこの一戦を先発復帰への「ラストチャンス」と位置づけていたが、「よく5回投げましたね。次の登板も面白いんじゃないかと。(次も先発で)考えています」と合格点を与えた。「自分の力で勝てるようなピッチャーになって帰ってきたい」と吉田。一回り大きくなって、もう一度、秋田に戻ってくる。(清藤 駿太)

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2022年6月22日のニュース