パドレス・ダルビッシュ 立ち上がり33球大荒れも 新スタイルで7回1失点7勝目

[ 2022年6月22日 02:30 ]

ナ・リーグ   パドレス4ー1ダイヤモンドバックス ( 2022年6月20日    サンディエゴ )

<パドレス・Dバックス>7回を投げ終え、ベンチで迎えられるパドレスのダルビッシュ。7勝目を挙げた
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 パドレスのダルビッシュ有投手(35)が20日(日本時間21日)、ダイヤモンドバックス戦に先発し、7回4安打1失点、5三振で自身3連勝となる今季7勝目を挙げた。唯一失点した初回は1安打、3四死球と苦しんだが、カットボールを軸に修正した。今季はここまで13試合に登板して2桁奪三振ゼロ。過去4度、シーズン200奪三振をマークした投球スタイルを一変させ、白星を重ねている。

 4―1の7回2死一塁。ダルビッシュは、唯一の長打である右翼への二塁打を3回に許していた左打者トーマスを迎えても冷静だった。初球に外角カットボールを投じ、遊ゴロに。3万5430人が詰めかけた本拠ペトコ・パークに大きな拍手と指笛が鳴り響いた。

 「真っすぐでガンガンいったわけではない。かわして、かわして、しっかり7回を投げられた」

 立ち上がりは不安定だった。「ブルペンから思うように(体が)動いてくれなかった」と先制された初回は1安打3四死球で33球も要した。だが、2回以降はカットボールを軸にバットの芯を外し、7回104球を投げて4安打1失点。今季10度目のクオリティースタート(6回以上を自責点3以下)、3戦連続ハイクオリティースタート(7回以上を自責点2以下)で今季7勝目を挙げた。

 力でねじ伏せる投球ではなく、技巧を駆使してアウトを重ねた。「早く(相手に)コンタクトをさせるためにいろんなカッター(カットボール)を交ぜる。カッターを待たれた時も、その前とは違う変化を、というふうにしている」。4回2死で迎えた左打者ペルドモには外角高め、内角低め、最後は真ん中と、コースを変えての3球連続カットボールで三ゴロ。同じ球種に小さな変化を加え、早いカウントで料理した。今季は登板13試合でいまだ2桁奪三振ゼロ。米11年目のベテランらしい投球術が光る。

 チームは直前のロッキーズ3連戦で先発陣が早々に崩れて3連敗した。ボブ・メルビン監督、8勝で勝ち頭の右腕マスグローブが新型コロナウイルスに感染し、さらに主砲マチャドが左足首の負傷で離脱。ダルビッシュの好投が危機を救った。

 2日前に首位の座を奪われたドジャースにゲーム差なしと肉薄。「その意味では褒められるが、かわして、かわしてだから自分(の投球)に関しては褒められない」。チームの勝利にこだわりつつ、投球には満足せず、さらに上を求めた。

 ≪今季2桁三振なし≫ダルビッシュは今季ここまで2桁奪三振がなく、最多は4月17日ブレーブス戦での8個。米移籍後で2桁奪三振ゼロは右肘などの故障により登板8試合に終わった18年のみで、同年は9が最多だった。今季の9イニングあたりの奪三振率は7.21で、過去に2桁未満だったシーズンはない。

 ≪5年ぶり2桁勝利期待≫ダルビッシュは13度目の登板で7勝目。過去に13試合登板時で7勝以上だったケースは4度(12、13、14、20年)あり、コロナ禍で60試合制の20年(8勝)を除く3度とも2桁勝利に到達。レンジャーズとドジャースで計10勝を挙げた17年以来5年ぶりの2桁勝利へ期待が高まる。

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