【スポニチ評論家座談会～大阪編（1）】延長12回まである今季　投手陣の層が厚い阪神が有利

[ 2022年3月22日 08:00 ]

　阪神を優勝予想する声が圧倒的だった――。巨人推しが減って、逆に評価急上昇したのがDeNA…。今年も恒例となっている本紙評論家陣による開幕直前の順位予想が行われた。座談会の後半では、開幕4番が決定的となっている阪神・佐藤輝明内野手（23）について議論が白熱。2022年も、この男が話題の中心となりそうだ。

　鈴木啓示　昨年は、前年最下位だったヤクルトとオリックスがリーグ優勝。みんな今年も予想は難しかったと思う。

　亀山つとむ　阪神を優勝予想する方が多いですね。

　鈴木　投手陣が安定しているからね。計算できる投手が多く、大きな連敗はないんじゃないかな。

　大野豊　投打のバランスがいい。総合力はセでは上位でしょうね。

　広澤克実　不安材料はスアレスがいなくなったクローザー。岩崎が8回、ケラーが9回の並びが理想だけど、新外国人選手は未知数なので。ただ、他の5球団もウイークポイントはある。

　野村謙二郎　2位予想なのですが、優勝争いには絡んでくると思います。

　亀山　阪神を最上位にしているのですが、広澤さんと同じでケラーの力がどこまでなのかは気になります。オープン戦ではまだ強烈な球は見せていない。打線では佐藤輝と大山が引っ張ってほしい。昨年はマルテとサンズだったが今年はこの2人ですね。

　赤星憲広　今年は12回まで延長戦があるので投手陣の層が厚いタイガースは有利だと思うのですが、ケラーをはじめ投手陣は本当にいいのか…という不安はあります。

　新井貴浩　皆さんと同じで、やっぱり抑えですよね。ケラーは15日のソフトバンク戦を見たのですが、スピードガンは145キロくらい。まだ仕上がっていないとはいえ打者は反応できていた。現状では分からないですね。僕も8回岩崎、9回ケラーの方がいいと思いますし、岩崎には勤続的な疲労も出てくる可能性もある。その意味でもケラーがやれるかどうかは重要です。

　関本賢太郎　小川、桐敷が先発ローテーションの5番目、6番目に入ってくるのでしょうけど、もしも誰かにアクシデントがあっても、それ以上の候補はいない。先発陣も決して盤石ではないと思います。

　広澤　桐敷は打ちにくそう？

　関本　映像で見る限りですが、いいと思います。特に右打者は苦労しそう。インサイドにいい角度で入ってきていました。

　新井　私は沖縄での練習試合を実際に見たのですが良かったです。上から投げ下ろして、チェンジアップも効果的でした。先発でも中継ぎでもいけそうです。

　亀山　打たれたところも見ましたが、プロのレベルを知るとすぐに修正できていましたし、打たれても自分の形を崩さないのがいいですね。

　広澤　もう少し体力がつけば、もっと良くなりそう。まだまだ体ができていない印象があるので、逆に伸びしろがあると思えばいいのかな。

　大野　藤浪が1年間ローテーションを守れれば、物凄くプラスアルファになるのは分かっているんだけどねえ。それくらいの力があるのはだれも否定しない。殻を破りそうで、何試合か投げれば何かおかしいのが出てくる。あれだけのうらやましいボールを持っているのですから、もったいない。

　亀山　強い運も持っているんです。今年はそれほど注目されなかったのに、ウィルカーソンや青柳がコロナ下で、藤浪がまた開幕ローテーションの中心に入ってくる。

　野村　四球をたくさん出す投手は過去にも多くいました。藤浪がそうなのは分かっているので、そういう投手なんだと思って1年間ずっと使えばいいのにと思います。

　広澤　右打者は怖い。ぶつけられるんじゃないかって。

　野村　相手は左打者を多く並べるのですが、それはそのチームの事情ですけど、でも右の強打者がスタメンからいなくなるだけでプラスだし、そうさせる強い球があるということ。私はいい投手だと思います。

　大野　使い切ってあげればいい。当てちゃったらとか、おかしくなってきたからと考えるからで、とことん行かせればいいと思います。もちろん、そういうボールもまじるかも分かりませんが、でも投げ続けることでその確率が下がっていけばいい。本人に覚えさせる、感覚をつかませる。

　鈴木　投球フォームがおとなしくなっている。四球を気にしているのか。

　関本　暴れても、胸を張って、ファイティングポーズをとっているなら監督も使うと思うのですが、タオルを投げてあげないといけない、助けてあげないといけないという雰囲気を出すので毎年同じことの繰り返しになってしまうところもあります。コントロールは暴れても、藤浪本人が堂々としていればいいと思うのですが。

（2につづく）