巨人・大竹 笑顔の引退会見 引退後最初のラーメンは「家系。面(麺)と向き合って、ラーメンだけに」

[ 2021年10月25日 18:31 ]

<巨人・大竹引退会見>生涯成績の101敗にかけて、101杯のカップラーメンを報道陣にプレゼントする大竹(撮影・尾崎 有希)
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 終始、笑いに包まれた引退会見。巨人・大竹寛投手(38)らしい和やかな雰囲気の中にも、プロ野球で20年間戦い抜いた勝負師の一面をのぞかせた。

 「僕は短気だと思います。自分では。ただ使い分けでガって入るところはバッター(相手)の時にしようと決めたというか意識できるようになりました」

 投手陣最年長38歳ながら、若手からもいじられ、人が集まる。いつも笑顔で仏のような大竹だが、マウンドに上がると鬼に豹変する。伝家の宝刀は右打者の内角をえぐるシュート。24日ヤクルト戦での引退登板でも5球全てシュートを投げ込み、サンタナのバットをへし折った。「折れた瞬間はずっと覚えているんじゃないでしょうか。素晴らしい一日になりました」とすがすがしい表情を見せた。

 シュートを使うきっかけとなったのは広島時代。それまでも左打者の外にツーシーム系のボールは投げていたが「壁にぶつかって、シュート系のボールを右打者の内に投げ込まないとメシを食っていけないと思った」と挑戦を決意。大先輩・黒田の投球を参考にした。「見よう見まねで右バッターのインコースに思い切って投げていったのが始まり」。そこから大竹を象徴する球種となった。
 最後まで気遣いも忘れない。ラーメン好きとしても知られる大竹は報道陣に「僕だったらラーメンじゃないかと。でも伸びちゃうし迷惑をかけちゃうと思って、カップ麺」と自身の負け数にちなんだ101杯のカップラーメンを差し入れ。引退後最初に食べたいラーメンには「家系」を挙げ「今までお世話になったので。面(麺)と向き合って、ラーメンだけに(笑い)。しっかりと味わいたいと思います」と笑わせた。

 投手陣の「オアシス」として愛された。会見には菅野、山口、戸郷ら10人の投手陣が登場。後輩たちに囲まれ「ありがとう」と感謝した。「20年間野球界でお世話になりましたので、何かしら貢献できたら」と大竹。「寛ちゃん」の20年間を凝縮したような時間だった。

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