阪神・伊藤将 重圧はねのけ大台10勝目で新人王に名乗り!阪神新人左腕では67年江夏豊以来の2桁勝利

[ 2021年10月25日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神7ー2広島 ( 2021年10月24日    マツダ )

<広・神>力投する伊藤将(撮影・北條 貴史)
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 阪神・伊藤将は重圧をはねのけて大台に到達した。5回2/3を4安打1失点の力投。球団新人では13年藤浪(10勝)、左腕に限れば67年江夏豊(12勝)以来の2桁勝利を達成し、逆転優勝へ最後のバトンをつないだ。

 「優勝するには、あと1個なので、そういう中で自分のスタイルを崩さず投げることを意識しました」

 2回に同期の佐藤輝の3ランで強力援護を受けると、6回途中まで坂倉のソロ1本に封じてリードを守った。「社会人時代も一発勝負というところでやっていたので、その経験が生きた」。矢野監督も「動じないで逆にそこをプラスに、投げてくれたんかなって気もする」と強心臓に目を細めた。

 開幕ローテーション入りし「即戦力左腕」の期待にたがわぬ実力で白星を量産。プロ入り当初は力の差を見せつけられた。

 「(藤浪)晋太郎さんの球を見て…ビビりましたね。キャンプの時に初めてピッチングを見させてもらってえげつない球投げてたんで衝撃でした」

 上には上がいる…と痛感しながらも、決して「剛腕」ではない自分のスタイルを見つめ直す良いきっかけにもなった。救いとなったのは球速はなくても、抜群の制球で打者をなで斬る秋山、西勇の存在。「やっぱり(2人が)タイプが似てるほうだと思うので、自信を持ってプレーできている」。身近な手本に背中を押された。

 アマ時代からルーティンがなく、過剰な意識を排除してマウンドに上がることをプロでも貫いた。「つくらないようにしている。ないことがルーティン」。絶対に負けられない、しびれる登板でも動揺することなく力を出し切れた。「2桁勝利するという目標の中でやってきて、それが結果に残ったのは良かった。あともう少しなので優勝できるように頑張っていきたい」。歓喜のフィニッシュへ、仕事を果たした。(遠藤 礼)

 《球団初、新人2桁勝利&20発そろう》伊藤将(神)が10勝目を挙げ、同じ新人の佐藤輝が24号3ラン。同一球団の新人で2桁勝利と20本塁打以上がそろったのは90年近鉄(野茂英雄18勝、石井浩郎22本)以来31年ぶり5度目で、阪神では初めてだ。

 ▽江夏豊の1年目 67年4月13日大洋戦に救援で初登板。4月29日広島戦に完投でプロ初勝利を挙げると、5月31日巨人戦まで6戦6勝。前半戦だけで7勝し球宴にも出場した。10月11日中日戦で10勝に到達。シーズン42試合登板と投球回230回1/3はいずれもチームで2番目に多く、12勝13敗、防御率2・74。225奪三振でタイトルを獲得したが、新人王はサンケイ・武上四郎が受賞した。

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