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【内田雅也の追球】「9月」を迎える「秋支度」 首位陥落の阪神の問題はマルテ、大山、佐藤輝

[ 2021年8月30日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神0ー5広島 ( 2021年8月29日    マツダ )

<広・神(16)>7回無死から右前打を放つ大山
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 はっきり書けば、今の阪神は優勝を争うチームではない。敗れれば、同一カード3連敗。加えて、デーゲームで巨人、ヤクルトがともに勝っており、3位に転落する。大事な一戦に球団ワーストタイの16三振を喫しての零敗とは寂しい。

 1回裏の3失点は2死後、ゴロを後逸した一塁手ジェリー・サンズの失策が発端だった。直後、先発・秋山拓巳が鈴木誠也、坂倉将吾に、ともに初球を本塁打された。あっという間だった。

 2死後の失策で自責点はつかない。責任はサンズにあるわけだが、拙守を責めるのは少々お門違いと言えるだろう。

 本来外野手(今季74試合出場)で一塁を守るのは17試合目で失策は2個目。慣れない一塁で起用しなくてはならない今の態勢に問題がある。

 本来一塁(81試合)のジェフリー・マルテが球宴・五輪中断明けにまだ1軍に上がれないでいる。監督・矢野燿大が中断前までの「前半戦MVP」とたたえた3番打者である。代わって起用するメル・ロハス・ジュニアや他の投手との外国人枠の関係もあり、悩ましい状況にある。

 加えて、前夜は大山悠輔、この夜は佐藤輝明と主軸の長距離打者を先発メンバーから外した。それほど不調なのだ。

 本来の姿からはほど遠く、順位など気にしている状況にはない。まずは自軍の陣容を整えたい。

 しかも優勝への正念場はまだ少し先だ。ペナントレースで9月は特別な月だ。大リーグでは9月の激しく熱い優勝争いを「セプテンバー・ヒート」と呼ぶ。激闘となる残り30数試合を戦い抜くために、体調を整え、士気を高めていきたい。冬支度ならぬ「秋支度」を終えて臨みたい。

 この夜6番で先発した大山は追い込まれてから右方向へ2安打した。むろん本来の打撃ではないが、復調のきっかけにしたい。

 佐藤輝は9回裏2死二、三塁で代打で起用され、空振り三振で最後の打者となった。問題の高めボール球速球を2つ空振りし、1つ見極め、また空振りした。三振後の数秒間、中空を見上げた時の悔恨を力に換えたい。

 長雨で7日間も順延があった夏の全国高校野球選手権大会が終わった。球児たちの熱戦は多くの感動を呼んだ。

 次はプロ野球の番だ。猛虎たちは7月14日以来、ようやく本拠地甲子園に帰ってくる。矢野が監督就任時に掲げた「誰かを喜ばせる」を原動力にする秋が来る。 =敬称略= (編集委員)

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