広島・床田 6回零封10Kで151日ぶり勝利「必死に1軍に居続けたい」、佐々岡監督も「100点満点」

[ 2021年8月30日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5ー0阪神 ( 2021年8月29日    マツダ )

<広・神>阪神打線を相手に仁王立ちの広島先発・床田 (撮影・成瀬 徹) 
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 広島・床田寛樹投手(26)は、29日の阪神戦を6回無失点に抑えて、今季初登板の3月31日阪神戦以来151日ぶりとなる2勝目を挙げた。5月27日西武戦以来の1軍登板で自己最多10奪三振。脱落の続く先発陣に光明をもたらした。打線は、初回に鈴木誠、坂倉が2者連発を放つなど“天敵”秋山に12試合ぶりの黒星をつけて4連勝。中日と並んで5月28日以来となる4位に浮上した。

 自己最多となる10奪三振の勝負球は、直球が6つ、スライダーが2つを占めた。この2球種こそが、3カ月間の2軍暮らしで磨き直した武器だ。床田は、「僕は変化球でかわしてしまうので直球で攻めようと思っていた。直球がすごい良かったので、変化球が生きて振ってくれたのだと思う」と胸を張った。

 2軍降格前に佐々岡監督から伝えられた。「強い球を投げられるように、もう一度ゼロからやり直してこい」。指揮官には、指先の器用さだけで勝負しているように映っていた。だからこそ、下半身の力が伝わった力強い直球を求められた。

 その成果を見せるかのように序盤から飛ばした。初回無死一塁から中野を外角直球で空振り三振、ロハスは外角直球で見逃し三振とするなど3者連続三振を奪って波に乗った。「初回から直球で押せて、スピードも出ていた。それを継続できたのも良かった」

 2軍合流後、久々に目の前で投球を見た東出2軍打撃コーチから「肘の位置を低くしたの?」と聞かれた。今季は直球が走らずにツーシームに頼ってきた。変化球の曲がり幅を求めるあまり、本来の投球フォームからずれ始めていたのだ。肘の高さを戻すように意識すると、得意球だったスライダーに切れが戻った。3回1死無走者では、初回に中前打を打たれた近本からスライダーで見逃し三振を奪って自信も取り戻した。

 「僕のスタイル的に(三振は)多くない。3回くらいから10個は取りたいな…と思っていました」

 今季は初登板だった3月31日の阪神戦で白星を挙げて以降7試合連続で白星から遠ざかり、5月下旬に降格した。1軍ではリーグ戦再開後、大道、野村が降格。先発が固定できない中で昇格し、今季最長に並ぶ6回を無失点に抑える好投を見せた。これには、普段から手厳しい佐々岡監督からも「この投球を期待していた。本当に100点満点です」と手放して褒められた。

 「必死になって1軍に居続けたい」。床田が安定すれば、不安定な台所事情も解決に向かう。(河合 洋介)

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2021年8月30日のニュース