ルース博物館の館長が大谷に伝えたい、3つの感謝

[ 2021年8月30日 08:00 ]

オリオールズの本拠地から徒歩3分ほどに位置するベーブ・ルース博物館(撮影・杉浦大介通信員)
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 全米各地に点在する野球関連のメモリアルな場所を訪れることができるのも、この仕事の喜びの一つだ。ボストンのフェンウェイ・パーク、シカゴのリグリー・フィールドなどは球場そのものが歴史的建造物。ヤンキースタジアムのモニュメントパークも、ファンなら絶対に見逃せないし、今月中旬、映画「フィールド・オブ・ドリームス」の撮影地で行われたホワイトソックス対ヤンキース戦の取材も、まるで夢のような経験だった。

 今月25日、ボルティモアのベーブ・ルース博物館を久しぶりに訪れたことも忘れられない思い出になりそうだ。このミュージアムは実は2001年にも来たことがあったのだが、最近ではエンゼルス・大谷の活躍ゆえ、ルースの功績が日本メディアの間でもより頻繁に振り返られるようになった。そんな今、この場所をまた訪れ、数々の記念品を目にすることには重要な意味があるように感じられたのだ。

 28日付の紙面で既に記事化されたが、同博物館館長のショーン・ハーン氏の言葉は、他にも実に味わい深いものが多かった。何より印象的だったのは、ルースを現代によみがえらせたような大谷の躍進を、館長が心から喜ばしく感じてくれていたことだ。

 「私は17年にわたって、ここで働いてきました。おかげでベースボールの多くの偉大な瞬間を目撃し、素晴らしい人々に対面することができてきました。今年、私たちは大谷のおかげで歴史的なシーズンを目撃していると自信を持って言えます。カル・リプケン・ジュニアの連続試合出場記録が達成された年以来の特別なシーズンと言えるでしょう」

 大谷が歴史的なプレーを続けているおかげで、ミュージアムを訪れる人も確実に増えたという。日本、韓国、カナダ人をはじめとする海外のファンも多数含まれているのだとか。

 「普段はベースボールに興味のないような人が、今では大谷に、ベーブに、そしてベースボールに興味を示しているのです」
 そんなハーン氏の言葉通り、大谷の出現は過去と現在を見事につなぎ、同時に新しいファン層を開拓する可能性すら感じさせている。希望に満ちた館長の話を聞き、常識を超越したプレーを続けるエンゼルスの背番号17にお礼を言いたいような気分になった。

 「私の知る限り、大谷はまだこのミュージアムには来ていません。こっそり来たのでない限りは、ですが。大谷が来たら何て声をかけるか?大谷がベースボールのためにやってくれていること、多くの人々をインスパイアしてくれていること、そして、パンデミックの中でも人々を喜ばせる良い薬になってくれていることに感謝の言葉を送りたいですね」

 嬉しそうにそう語るハーン氏が、いつか大谷と対面する日が実際に来ることを願いたい。エンゼルスのボルティモア遠征はすでに終了したから、早くて来年か。いつになるかは分からないが、その時間はこのミュージアムに関わる全ての人にとっても間違いなく特別なものになることだろう。(杉浦大介通信員)

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