エンゼルス・プホルスは大谷の「すり足打法」の師匠 “定位置”奪った相手にも熱い助言

[ 2021年5月8日 02:30 ]

エンゼルス プホルスに戦力外通告

4月25日、アストロズに勝利し、プホルスとお辞儀して握手する大谷(AP)
Photo By AP

 大谷がエンゼルスに移籍し、3シーズンと約1カ月。プホルスは日本からやって来た二刀流の若武者を常に気にかけ、時に呼び止めては、熱心に声をかけてきた。

 18年1月の渡米直後のロサンゼルス自主トレ。1日限定でオレンジカウンティの施設で自主トレ中だったプホルスとの合同練習が実現した。「調整段階だったけど、バンバン本塁打も入れていた。勉強になることがたくさんあった」と大谷。米国野球殿堂入り確実なベテランの打撃に心を奪われた。同年の開幕直前から取り入れた足を上げないすり足気味の打ち方は、そのプホルスそっくりだった。

 大谷加入後はそれまでDHだったプホルスが一塁に回り、体の負担が大幅に増えた。特に腰、左膝の状態が思わしくなく、年齢とともに年々、打撃成績が下降。そんな状況でも、大谷に助言を欠かすことはなかった。19年6月1日のシアトルでのマリナーズ戦前の打撃練習では、不振だった大谷に「もっとポイントを前にして、打球を飛ばして球場のイメージが湧きやすいようにしていけばいい」と伝えた。ジェスチャーを交えながら「ポイントを後ろにすると体が先に開いてしまう」と熱っぽく語りかける姿があった。

 大谷はプホルスの打撃について「僕が見ている中でもいろいろと試しながら、より良いものを探している。あれだけやってきても、そういう姿勢が素晴らしい。毎日、毎日打っている量も多い。そういった点でも素晴らしいと思う」と語ったことがある。野球に全てを注ぐ飽くなき向上心に、さらに磨きがかかった。
 「プホルス&トラウト」時代から「トラウト&大谷」時代へ。14年以来、7年ぶりのポストシーズン進出へ、チームは大きくかじを切った。(柳原 直之)

続きを表示

2021年5月8日のニュース