エンゼルス・プホルスに「戦力外通告」 歴代5位の667本塁打 現役続行希望も高額年俸ネック

[ 2021年5月8日 02:30 ]

エンゼルスを戦力外となったプホルス(AP)
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 エンゼルスは6日、歴代5位で現役最多667本塁打のアルバート・プホルス内野手(41)の事実上の戦力外を発表した。

 マリナーズのイチローがメジャーに移籍した01年。カージナルスにも新星が現れた。当時21歳のプホルス。同じ4月2日にデビューし、メジャー1号も同じ4月6日だった。この年、打率・329、37本塁打、130打点をマーク。新人王はア・リーグはイチロー、ナ・リーグは満票でプホルスが選ばれた。

 当時は「ステロイド全盛」の時代。イチローがスピードとバットコントロールで旋風を巻き起こせば、プホルスは筋肉増強剤とは無縁のしなやかな肉体から繰り出すパワーと技術で魅了した。ドミニカ共和国出身だが、家は貧しく、16歳で米国ニューヨークに移住。若くしてスターになったが、浮かれることなく、常に冷静で紳士的だった。9月11日、米中枢同時テロが発生。MLBは1週間の中断後、「テロに屈しない強い米国」の象徴としてシーズンは続行された。米国の野球ファンは、殿堂入りが確実視される2人のプレーに歓喜した。

 それから20年。イチローが19年に引退し、01年を知る最後の選手だったプホルスがエンゼルスから事実上の戦力外通告を受けた。本人は現役続行を希望するが、年齢や打撃の衰えなどから米メディアは「移籍先探しは難しい」とみる。一時代の終焉(しゅうえん)を告げる一日となった。

 ◇アルバート・プホルス 1980年1月16日生まれ、ドミニカ共和国出身の41歳。99年ドラフト13巡目でカージナルス入りし、01年にメジャー初出場。01年から10年連続打率3割、30本塁打、100打点以上をマーク下した。ナ・リーグMVPに3度輝き、06、11年はワールドシリーズ制覇に貢献。11年オフに10年契約でエンゼルスに移籍した。1メートル90、106キロ。右投げ右打ち。

 ▽DFA(designated for assignment=デジグネーテッド・フォー・アサイメント) メジャー40人枠から外す措置で直訳すると「降格選手の指名」。当該選手は原則ウエーバーにかけられ、トレード、FA、マイナー降格のいずれかの道を探ることになる。球団側はウエーバー期間中に移籍先を見つければ、年俸の残り全額や一部を移籍球団に負担してもらえたり、トレードが成立すれば選手を獲得できるメリットがある。プホルスは今季年俸3000万ドル(約32億7000万円)と高額で、FAとなる可能性が極めて高い。

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