高橋朋己ライオンズアカデミーコーチはなぜ小学校に

[ 2021年5月8日 13:27 ]

妻沼小を訪れた星野、高橋両アカデミーコーチ(奥、球団提供)
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 西武では18年3月から地域コミュニティ活動「L│FRIENDS」を立ち上げ、地域、ファン、選手、スタッフがひとつの仲間としてつながり、未来に夢をつないでいくということを目的に、「野球振興」「こども支援」「地域活性」「環境支援」の4つの柱を中心に取り組んでいる。

 7日の朝6時半、都内の自宅を出発した高橋朋己ライオンズアカデミーコーチが自家用車を走らせて向かったのは、埼玉県熊谷市にある妻沼(めぬま)小学校。現地には、高橋コーチより1世代前に同じく変則左腕としてライオンズの一時代を支えた星野智樹コーチの姿もあった。到着するやいなや着替えたのは、ライオンズのパーカー。そう、この後、同校の児童を相手にベースボール・チャレンジ(野球の授業)を行うためであった。

 「(授業で教えるのは)2回目ですが、前回は星野さんと金子一輝がメイン講師で僕は研修という感じでした。(慣れている2人を見て)勉強になりました」と訪問前に話していた高橋コーチだが、今回はメイン講師として訪問しただけに、緊張感もだいぶ異なる。

 早速、同校の校庭を“メイン球場”に1コマ45分の授業を立て続けに3つこなすフル回転を見せた“両左腕”。まずは4年生27人に「ボールの捕り方」「投げ方」を身振り手振りを交えて基礎を学んでもらったのち、「野球型ゲーム」で盛り上がるというラインアップだった。

 最後に設けた質疑応答では児童たちの質問に丁寧に答えたが、続く2コマ目では4年生24人に、さらに3コマ目では5年生42人を相手にも同じラインアップを実施した。3コマとも共通していたのは、ボールを追いかけるこどもたちの笑顔。そして両コーチが見せる投げ方のお手本には歓声があがった。

 アカデミーコーチ、そして野球振興やこども支援に尽力するスタッフの一員としては“ルーキー”の高橋コーチだが、その気持ちはどこまでも熱い。「いかに野球を楽しく感じてもらうか」をモットーに、こどもたちに対する“褒め”の言葉が常に響く。

 「自分には3歳の息子と5歳の娘がいますが、よく一緒に野球をして遊ぶんです。上手く投げられた時、そして打てた時は、『100点』とか『花丸』とか言って褒めると喜びます。やっぱり自分のこどもにも野球を好きになってほしいですから」

 気持ちは、パパとして2児と接する時も、ライオンズのユニフォームなどを着てこどもたちに指導に当たる時も変わらない。野球と出会えたからこそ、今の自分があり、大事な仲間にも出会えた。それをあらためて感じながら、今日も高橋コーチは将来の野球界のために尽力していく。

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2021年5月8日のニュース