亀山つとむ氏 完勝劇に見た矢野阪神の底力 試合動かした「近本の足」

[ 2021年5月8日 20:32 ]

セ・リーグ   阪神4-1DeNA ( 2021年5月8日    横浜 )

<D・神(8)> 4回無死一塁、近本は二盗を決める(撮影・大森 寛明)
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 改めて、阪神の底力を見た完勝劇だった。

 打線がDeNA先発・ロメロに3回まで完ぺきに抑えられた流れの中、試合を動かしたのは「近本の足」だった。逆に言えば、DeNAにとっての誤算は4回、イニングの先頭だった1番・近本を簡単に四球で歩かせたことだろう。近本が出塁し、盗塁し、相手バッテリーミスまで誘い、4番・佐藤輝の先制適時打につなげて試合の均衡を破ったからだ。

 阪神は今、本塁打と打点でリーグ2冠の佐藤輝を筆頭に打線全体が活発で、派手なプレーにスポットライトが当たることが多い。だから陰に隠れがちになっているが、打線が湿りだした時に一番の武器になるのは間違いなく「近本の足」だ。彼が出塁し、走り、生還するのが、過去2年間の阪神の武器だった。他球団はそれを徹底的にマークし、阻止しようとする。だから今季もシーズンの出だしは数字がよくなかった。打線が振るわずとも試合展開に風穴を開けることができる「近本の足」は、矢野阪神が誇る底力と言える。

 首位を快走する阪神はチーム状態がよく、派手なゲームが目に付く。だが、この日のように先発投手がしっかりと試合をつくる中、機動力を駆使して、しぶとく得点につなげる野球で勝つこともできる。この日の勝因と言えた「近本の足」。長いシーズン、絶対に頼る時が来る。(スポーツニッポン評論家)

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