阪神・佐藤輝 4番の風格弾!2冠だ!43発ペースだ!プロ初敬遠だ

[ 2021年5月8日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6-12DeNA ( 2021年5月7日    横浜 )

<D・神7>4回無死、左越えソロを放つ佐藤輝(撮影・島崎忠彦)
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 阪神ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が、7日のDeNA戦でドラフト新人最速の10号を放った。プロ2度目の4番で出場し、4回に中川の直球を右翼席最上段まで運ぶ特大弾。球団新人としては80年岡田彰布以来、41年ぶりの2桁本塁打到達をわずか33試合で決めた。10本塁打、26打点は共にリーグトップタイの2冠。7回にはプロ初敬遠されるなど、試合は敗れても存在感が際だった。

 またも、球史を塗り替えた。大山の離脱で座った2度目の4番。だが、そんな重責を背負っても臆するどころか、意気に感じるのが佐藤輝という男だ。1点優勢の4回先頭。横浜の夜空に高々と10号アーチをかけた。

 「しっかり自分のスイングを心掛けて。強く振り抜けました」

 徹底した内角直球攻めに、屈しなかった。ファウル、ボール、ファウル、ボールと続いて5球目。やはり中川が内角高めに投じた145キロ直球に、大砲のバットが火を噴いた。「内は頭にあったので。うまく反応できてよかった」。完璧に捉えたわけではなかったが、大きな弧を描いた白球は右翼席最上段へ着弾。先月9日に国吉から圧巻の場外弾を放った敵地で、再び記録と記憶に残る一発をかっ飛ばした。

 わずか33試合での2桁本塁打は、ドラフト制の新人では03年村田修一(横浜)の36試合を抜いて最速。矢野監督は「結果的にこれぐらいのスピードで10本というのは大したもんやなと思う」と目を細め、「もっともっと上を目指してやってもらえたら」とさらなる飛躍を望んだ。

 近大4年秋のリーグ戦では全10試合で3番起用も、大学最後の大会だった関西地区選手権では、田中秀昌監督の采配で2試合とも4番に座った。それでも「さほど特に意識することはなく。普段通りいけました」と平常心を保ち、優勝に貢献した。プロでも4番初出場の2日広島戦で、新人として史上初となる満塁弾。4番としての2戦連発は、強じんなメンタルに裏付けされている。

 「ランナーがいる場面ではしっかりランナーを還して。打点を挙げるのがクリーンアップとしての仕事だと思うので、打点を挙げられるようにやっていきたい」

 一時3点差を追いつき、なおも1死二塁で訪れた7回の第4打席では、プロ初の敬遠を味わった。左翼席の虎党からはブーイングが漏れたほど。黄金新人の1打席に、誰もが大きな期待を抱く。

 10本塁打はヤクルトの村上、山田と、26打点は巨人・岡本和と並んでリーグトップタイの2冠となった。何よりもこだわりを持つ本塁打は、新人記録を大幅に更新する43発ペース。前人未到の大記録を打ち立てても、もう誰も驚かない。(阪井 日向)

 ○…佐藤輝(神)の10号は両リーグトップタイ。この日、大谷(エンゼルス)もメジャートップタイの10号をマーク。2人は4月15日の4号、26日の6号、5月5日の9号、7日の10号と、10本中4本を日本時間で同日に打っている。

 ○…佐藤輝(神)が4回、右越えソロでシーズン10号到達。新人選手の2桁本塁打は16年の吉田正(オ)以来、プロ野球57人目(セ31、パ20、1リーグ6)。阪神では80年岡田彰布以来41年ぶり5人目で初の左打者。チーム33試合目は2リーグ制以降3番目の速さで、ドラフト制以降(66年~)では03年村田修一(横浜)の36試合を上回る最速記録。左打者では84年小早川毅彦(広)の53試合を大幅に更新。1リーグ時代を含めて史上最速だ。また、4番では5月2日広島戦の満塁弾に続く2本目。過去の阪神新人4番弾(プロ野球初年度の36年を除く)は17年大山の1本だけ。2本は球団史上初。

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