「パワー優先」のパ・リーグVS「攻守の総合力」のセ・リーグ ドラフト戦略の違い浮き彫り

[ 2020年11月27日 05:30 ]

育成からはい上がったソフトバンクの(左上から時計回りに)千賀、甲斐、牧原、周東
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 【球界の危機 広がるセパの格差 中】最近10年の日本シリーズでパのチームが9度制覇。うちソフトバンクが7度の日本一に輝いている。今年のシリーズを見るまでもなく、パが実力でセを完全に凌駕(りょうが)。その大きな要因となっているのがドラフト戦略だ。

 シリーズ第1戦でソフトバンクのスタメンには育成出身が4人(千賀、甲斐、周東、牧原)もいた。ドラフト1位は、05年大学・社会人ドラフトの希望枠だった松田宣だけ。同2位が柳田と栗原、中村晃は07年高校生ドラフト3位だった。対して巨人は第1戦のスタメンにドラフト1位が4人(菅野、吉川尚、坂本、岡本)いて育成出身は松原だけ。ここにスカウティングと育成の違いがのぞく。

 ソフトバンクは強い体でバットを強く振れる柳田と栗原を発掘する一方、強肩の甲斐や快足の周東ら一芸に秀でた選手を育成枠で獲って育ててきた成果が表れている。ドラフト戦略についてパ・リーグのある球団編成トップは「パはDH制もあり、野手の獲り方に色が出ている。スケール感の大きな打者をどんどん獲る。体の芯が強くて、バットを振れる選手」と分析。投手についても、そういう打者に対抗できるボールの強さを持つ選手を獲る傾向が顕著だ。

 ドラフトは07年に希望枠が廃止され、有力選手が希望球団を選べなくなった。選手獲得の不均衡は解消。今のメンバーで巨人志望を貫いたのは日本ハムの指名を拒否した菅野だけだ。それも原監督との親類関係という特殊なケースで、現状はドラフトで巨人優位という構図はない。そうした状況下で、パのあるスカウトは「DH制のパは守備に目をつむって打力優先で獲得できる。セは守れることが大前提。守備力が優先になる」として、セの傾向を「守りのドラフト」と表現した。

 投打にパワー系の選手を優先するパと、攻守の総合力で選手を獲得するセ。圧倒的な実力の差の背景には、ドラフト戦略の違いも間違いなくあった。(特別取材班)

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