プロ野球新スタイル始まる 取材制限、動線分離、エアタッチ、球審もマスク…6球場で3密対策実施

[ 2020年6月3日 05:30 ]

オンラインで取材対応した巨人・菅野
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 6月19日の開幕へ向け、2日に無観客で行われた練習試合では、さまざまな感染予防策が実施された。巨人―西武戦が行われた東京ドームでは、グラウンド内外で徹底した対策が取られた。両球団の球場入り口からベンチまでの動線を完全分離し、報道陣と選手の接触も制限。NPBから配布されたガイドラインに基づき、試合中も3密対策が取られた。そこには新型コロナウイルスと「共存」する、新たなプロ野球の姿があった。

 両軍の選手は試合後、記者に囲まれることなくパソコンの前に座った。同じ球場内にいながら、リモートで質問に答える。新たな取材の形だ。

 得点した際、手のひらが触れ合わない「エアタッチ」で喜びを表現した巨人・原監督は「(開幕が決まり)爆発する舞台は整っているけれども、辛抱の部分もある」と律した。試合後は30人近くに囲まれてきたが、球団側が記者を3人に限定。フェンス越しに約2メートルのソーシャルディスタンスが取られた。

 練習試合中断前の3月は、各球団が手探りで行った感染防止対策。5月中にNPBからガイドラインが配られたことで明確化された。球審、ボールボーイはマスクを着用。「開幕を迎えられないのはつらいので、しっかりやっていこうと」と辻監督ら西武首脳陣は自主的に、ベンチ内やコーチスボックスでもマスクを着けた。

 東京ドームでは、濃厚接触を「集団ごと」にとどめる工夫がなされた。これまで一緒だったホームと、ビジター球団の「動線」を完全に分離。球場入り口からそれぞれのルートでロッカールームまで向かった。報道陣が同通路やグラウンドに立ち入ることは制限され「ぶら下がり取材」は消えた。球場に入った全員が移動手段や、来場までの行動を記録表として提出した。

 3月はスタッフが体温計で行っていた報道関係者入り口の検温は、高性能サーモグラフィーを導入。瞬時に体温が画面上に表示され、37・5度以上では入場はできない。入場も試合開始1時間前からとされた。スタンド記者席は1区画6席から、密接を避けるため2席に減らし人数を制限。ベンチ横のカメラマンスペースも各自2メートルの距離を取り、一部がエキサイトシートまではみ出る形になった。

 球場には「ウィズコロナ時代」の在り方が凝縮されているように見えた。約2カ月ぶりの対外試合に原監督は「昨日の夜も含めて、高揚感がある。やっぱり野球というものが好きなんだなと」と喜びを口にした。6月19日に開幕するプロ野球はコロナと「共存」し、一歩ずつ前に進んでいく。 (神田 佑)

 《東京アラート発動 NPB事務局長「自治体に従う」》日本野球機構(NPB)が作成している開催へのガイドラインは公表されていないが、12球団には配布済み。球審がマスクを着用するなど、この日の練習試合はガイドラインに沿って行われた。プロ野球は新型コロナウイルスの事前検査などを検討しているが、厚生労働省は現在の方法より簡単な唾液を使うPCR検査をこの日から認めた。NPBの井原敦事務局長は「国内の検査体制の状況がどうなるか確認した上で、専門家に意見をいただき判断する」と話した。またこの日は都内の新規感染者が34人となり、「東京アラート」が発動された。今後について、同事務局長は「自治体の指示に従うのみです」とした。

 《ベンチ客席まで~横浜スタジアム》ベンチでは首脳陣もマスクを着用。控え野手はマスクを着けて守備時は一塁側ベンチ、攻撃時は一塁側エキサイティングシートに間隔を空けて座った。また全ての報道関係者は従来の関係者受付ではなく3ゲートから入場し、検温、体調チェック&行動確認シートの記入、手指消毒が必須となった。練習はスタンドから見守り、一定の距離を保って取材を行った。

 《報道陣は2階席へ~神宮球場》ベンチでは首脳陣もマスクを着用し、選手らはハイタッチなどの接触は控えた。報道関係者は入場時にサーモメーターの前を通り、手指の消毒と検温、体調チェックシートの記入を義務づけられた。従来はバックネット裏のグラウンドレベルにある室内記者席で記者は試合をチェックするが、バックネット裏の2階席が開放され、取材もオンラインで行われた。

 《ハイタッチ禁止~甲子園球場》選手、首脳陣、関係者は球場入りの際に検温。日々の行動記録表をつけることも義務付けられている。阪神は、球場内での食事は食事会場を広い部屋に変更して小分けにした品を提供。浴場は人数を制限して私語は禁止。試合中、球団スタッフはマスクを着用。ユニホーム組には着用を推奨した。阪神はハイタッチなども禁止している。

 《1席以上離れる~京セラドーム》オリックスの選手は球場入りの際に検温をし、西村監督をはじめコーチや球団スタッフらはマスク着用を義務付けている。球場内の食事は、従来はビュッフェ形式のケータリングだが、小分けにした。試合中はベンチもソーシャルディスタンスを確保。隣の選手と1席以上離れて座り隣接するカメラマン席まで拡大して実施した。

《1日2回の検温~ZOZOマリン》ロッテナインは自宅で検温し、球場入りした際に再度、体温を測る。これまで通り、行動記録表もつけた。球場内での食事はケータリングだが、全てが小鉢などで分けられている。一つのテーブルは2人までで、選手同士が向かい合わないように万が一に備えて工夫している。また、試合中のグラウンドでは、ボールボーイらはマスクに加え、水色の手袋を着用した。

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