中畑氏「自慢の息子」レイズ・筒香の成長に「本人以上に手応えバッチリ!」

[ 2020年2月29日 08:13 ]

オープン戦   レイズ6-3タイガース ( 2020年2月27日    ポートシャーロット )

本紙評論家・中畑清氏(右)と笑顔で談笑する筒香(撮影・奥田 秀樹通信員)
Photo By スポニチ

 レイズ・筒香嘉智外野手(28)が27日(日本時間28日)、米フロリダ州ポートシャーロットでのタイガース戦に「3番・DH」で出場した。DeNA時代の監督でもある恩師・中畑清氏(66=本紙評論家)が観戦した試合で3打数2安打2打点と初のマルチ安打をマーク。愛弟子の活躍に感激した中畑氏は本紙に特別観戦記を寄せた。

 フロリダの青い空。ゴーのバットから放たれた強烈な打球。はるばる日本から来て良かった。8年前からずっと見てきて、こうして憧れが現実になった瞬間を目撃できたのだから。自分のこと以上にうれしいね。大リーガーになりたいという夢をかなえるために少しでも力になれたのかな、って。自慢の息子を持ったような気分だ。

 2安打に成長ぶりが表れていた。初回は初対戦の相手に初球打ち。普通はバットマンとしてなかなか手を出せない。ちゅうちょなく振り抜けたのは準備がしっかりできて、充実している証拠だ。5回は左翼線二塁打。左投手から粘ってね。まるで右打者が思い切り引っ張ったような痛烈な打球。先日の左中間本塁打もそうだけど、ずっと取り組んできた逆方向への打撃が本物になってきた。手応えばっちり。私が本人以上に感じてるよ。

 ついに、ここまで来たんだなあ。私がDeNA監督1年目だった12年。プロ3年目、20歳だった筒香は打率・218、10本塁打の成績で万歳、万歳って喜んでいるような子供だった。これじゃ駄目だ、突き放さないと――。翌13年、奄美大島での秋季キャンプで1軍メンバーから外した。荒療治、ギャンブルだったね。でも、そこから彼はどんどん成長してくれたんだ。

 もともと受け身タイプ。速い球に弱い、積極性にも欠ける選手だった。この日の2安打を見ると、弱点を両方とも克服している。精神面も含め人としての成長を感じるね。13年の秋を経て自分で居残ってバットを振ったり、人の何倍も練習したり…。姿勢、考え方と全てが変わった。だから私も15年から主将を任せた。その年に当時自己最高の成績を残してオフはドミニカ共和国で武者修行。テングになることなくね。そこで世界を視野に入れ、今に結びついている。

 実は練習前に、キャッシュ監督にあいさつに行ったら「打撃投手をやらないか?」と言われたんだ。よし、と思って筒香とキャッチボールをしたら3球投げたところで「無理ですね」と笑いながらダメ出しされてしまった。「対戦」はできなかったけれど、最高の一日。筒香には壁にぶつかったとしても、ベースボールをエンジョイして、笑顔で乗り切ってほしい。今日の姿を見たら、まさに絶好調。良すぎて心配になるくらい。このまま開幕までレッツ・ゴーだ!(本紙評論家)

 《4年間ともに戦う》○…中畑氏は12年から4年間、DeNA監督として筒香とともに戦った。その間、筒香は14年に自身初の22本塁打と打率.300をマーク。特に主将に就任した15年は「143試合4番」を宣言した中畑監督の期待にも応え、全てがそれまでのキャリアハイとなる打率.317、24本塁打、93打点の好成績を挙げた。

続きを表示

この記事のフォト

2020年2月29日のニュース