「オレがヤル」を体現するメッセ 猛虎の躍進に欠かせない男

[ 2019年5月5日 10:30 ]

<神・D>9回2死、最後の打者を打ち取りガッツポーズを決めるメッセンジャー(撮影・大森 寛明)
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 甲子園のマウンドに、エースが帰ってきた。メッセンジャーが演じた1失点完投ショーに、スタンドを埋め尽くした虎党が酔いしれた。猛虎の躍進に欠かせない男だ。

 球団は昨季途中から早々と、今年で38歳を迎えるメッセンジャーとの契約更新を決めた。もちろん最大の決め手は実力と実績だが、それだけでもない。この日の試合前、報道陣とともに一塁側ベンチで練習を見守った谷本修球団本部長は「彼の人間性もあります。特に練習に対する姿勢などはプロフェッショナルですから」と話した。投打に若手が多いチーム編成の中、数少ない「背中で語れる選手」としても期待を掛けていたわけだ。

 先日、その「人間性」の一端を物語る話を聞いた。4月5日の広島戦で今季初勝利を挙げ、節目と言える日米通算100勝に到達した試合後のことだ。球団関係者からヒーローインタビューの打診を受けたメッセンジャーは、こう答えてヒーローの座を譲ったという。

 「ノー! トゥデー、(中谷)マサヒロ! ネクスト ジャパン ワンハンドレッド!」

 1メートル98、109キロという巨体に、「浪花節」を秘める。自らのシーズン初勝利より若虎の今季1号本塁打の優先順位を高くする思いやり、「日米通算」より「日本通算」に重きを置く大和魂、誰よりも実績があるのに誰よりも練習に励む、ますらおぶり…。グラウンド内外で模範となれる存在だからこそ、球団は早々に残留を求めたわけだ。

 ちなみに、広島での球団関係者とメッセンジャーのやりとりは通訳を介さずに行われたものだ。来日10年目。取材で正式なコメントを発する際は通訳を伴うが、すでに日常会話ができるくらい日本語を操ることができるという。昨季途中に国内フリーエージェント権を取得し、今季から「日本人選手扱い」となった右腕。それは決して、名目上だけのことではない。

 さて、今季も5年連続6度目となる開幕投手を務めたメッセンジャー評を、谷本本部長は「開幕投手もそうですけど、まさに『オレがヤル』の選手ですよね。ウチのチームに、あまりいないタイプです」と続けた。自ら名乗りを上げることで、自分自身に重圧を掛け、その目的に向かって汗を流し、そして実際に「ヤル」。矢野阪神のスローガン「オレがヤル」を体現している選手こそ、メッセンジャーと言える。(前トラ番キャップ・惟任貴信)

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