阪神・近本、赤星以来の新人10盗塁 セ界トップ並んだ「積極的にいきたい」

[ 2019年5月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5―1DeNA ( 2019年5月4日    甲子園 )

6回無死一塁、糸原の時に近本(左)は二塁盗塁を決める (撮影・奥 調)
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 阪神・近本が決めた節目の10個目の盗塁には新人離れした技と判断力が詰まっていた。2死から四球で出た7回。4点差の優位を考えれば、仮に失敗でも許される局面だ。当然のように井納―伊藤光のDeNAバッテリーにも猛警戒された。

 1、2球目のストライクは捕手が送球しやすい外角直球。計3度のけん制を挟み、カウント1―2からの5球目は大きく外したボール球だった。一度はスタートを切りかけ、伊藤光が立ち上がった様を察知して帰塁。瞬時の判断で捕手からのけん制もかわした。直後の6球目、仕切りなおしスタートでしっかり二塁を奪った。

 二ゴロ失策で一塁走者になった6回も2度のけん制をかいくぐり、1ボールからの2球目に二盗を成功。「もらった出塁だったので積極的にトライしました。(今後も)積極的に走っていきたいです」。複数盗塁は1日の広島戦での3盗塁に続いて早くも2度目。最近5試合で6盗塁の量産で、一気に球団新人では01年の赤星憲広(スポニチ本紙評論家)以来の2桁盗塁に到達し、ヤクルト・山田哲と並ぶリーグ最多へ伸ばした。

 捕手として現役時代は盗塁阻止に心を砕いてきた矢野監督も、いまは近本の盗塁力に胸を躍らせた。「ランナーで出ると警戒は高まる。その中で走ってるので。ファンのみなさんも、近本の足が見たいという方は増えてると思いますし、ランナーに出て、そういうところを見せてほしい」。3日に13試合連続安打で止まってからは2試合連続の無安打。一時的に快音は止まっても、最大の武器とする快足は止まらない。「僕の中では必死です」。たとえ安打がなくても、1番打者として機能するところを存分に見せつけた。(長谷川 凡記)

 ≪44盗塁ペース≫新人の近本(神)が2盗塁を決め、山田哲(ヤ)に並ぶリーグ最多の10盗塁とした。阪神新人のシーズン2桁盗塁は01年赤星以来、18年ぶり10人目。赤星の10盗塁到達はチーム72試合目で、近本の同32試合目はペースで大きく上回る。シーズン通算では44盗塁ペースで、赤星が持つ球団新人最多の39盗塁超えも視野に入る。

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2019年5月5日のニュース