菅野 “浪人明け”9勝 江川に並んだ、カーブ多投で変身

[ 2013年7月29日 06:00 ]

<中・巨>菅野は7回を無失点に抑え9勝目

セ・リーグ 巨人1-0中日

(7月28日 ナゴヤD)
 怪物に並んだ。巨人の菅野智之投手(23)が28日、中日を相手に7回2安打無失点でチーム単独トップの9勝目を挙げた。序盤にカーブを多投し、これまで見せなかった緩急を駆使した投球を披露。不振から脱却し、自身と同じく浪人生活を経てプロ入りした巨人の元エース・江川卓氏(58)が1年目にマークした勝ち星に並んだ。新人右腕の快投でチームも3連勝を収め、今季最多の貯金21とした。

 完全に意表を突いた。1―0の5回無死一塁。菅野は1ボールから外角に114キロのカーブを投じた。5番・平田は一度上げかけた左足をすぐに下ろしてタイミングを取ろうとした。しかし、バットは止まらない。引っ掛けて遊ゴロ併殺打だ。

 「走者を背負ってから打たれることが多かったので、きょうは特に意識した。狙い通りでした」。3、4回に続く3イニング連続の併殺打。その「締め」が、この日の投球を象徴するカーブだった。

 9球で3者凡退に斬った初回。大島、荒木、森野に、いずれも1球ずつカーブを投げた。恋女房の阿部は「緩急を使いたかった」という。全8球中、実に5球が見逃しストライク。菅野は「きょうは調子自体は良くなかった」と振り返る。その中でも、しっかりとカウントを稼げたのはカーブのおかげだった。

 最近4試合で1勝0敗。黒星こそ付かなかったが、前半戦最後の16日阪神戦(甲子園)で自己最短の4回3失点で降板するなど内容は伴わなかった。「相手が慣れてきたというのはある」と川口投手総合コーチ。対戦球団は徹底的に研究して攻略にかかる。菅野はカットボールやスライダーを決め球に使う傾向があり、これを見極められた。

 迎えた後半戦初登板。110キロ台のカーブを序盤で多投し、目先を変えた。直球もプロ最速タイの150キロを計測し、緩急を生かした。リーグ2位の103奪三振だが、この日は2奪三振。打たせて取る投球で二塁すら踏ませなかった。1年目で出場した球宴。20日の第2戦(神宮)で先発した際にバッテリーを組んだのが、この日対戦した中日・谷繁だった。全17球の意思疎通。名捕手を「打者に合わせて考えながら投げることができる。素晴らしいよね」とうならせた。この日も、まさに打者の打ち気を察知した投球だった。

 9勝目。怪物と呼ばれた元エースの江川卓の1年目に並んだ。菅野と同じく江川も法大卒業後に1年間の浪人生活を経て巨人入り。ブランクに苦しみ、本領を発揮したのは16勝を挙げた2年目からだった。菅野は母校の東海大で週1回の打撃投手を務めるなどして、実戦感覚を養ってきた。その江川も得意にしたカーブで投球に見事なアクセントをつけてみせた。

 3連勝で今季最多の貯金21。原監督は「きょうは見ていて安心感というか、いい投球をしてくれた」と目を細めた。2桁勝利に王手をかけた菅野はあっさり言った。「そこを目標としていない」。本当に頼もしい新人だ。

 ≪2度目の無失点投球≫菅野(巨)が7回を0点に抑え9勝目。巨人の先発投手が無失点で切り抜けるのは、7月10日ヤクルト戦の宮国以来11試合ぶり。自身にとっても、4月20日の広島戦(6回、失点0)以来2度目の無失点投球になった。この日は救援の2人も無失点で今季4度目の1―0完封。広島に並ぶ今季両リーグ最多タイとなり、チームで4度は95年以来18年ぶりだ。また、今季は4度とも継投でマーク。シーズン4度の継投1―0完封は57、58、93、94年の各3度を上回るチーム最多回数になった。

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