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【競泳】勤勉さが裏目に 不慣れな日程に振り回された

[ 2021年8月9日 05:30 ]

競泳男子200メートル個人メドレーの決勝進出を決めて目頭を押さえる萩野公介
Photo By スポニチ

 【本紙担当記者が分析】日本オリンピック委員会(JOC)が掲げた「金メダル30個」にはわずかに届かなかったものの、史上最多27個の金メダルを獲得し、銀14、銅17を合わせた総数58個でも過去最多を上回った東京五輪の日本選手団。57年ぶりの地元五輪は競技間で明暗がはっきり分かれたのも特徴だった。その理由について担当記者が分析した。

 日本競泳陣のメダルは女子個人メドレー2冠の大橋の金2、男子200メートルバタフライの本多の銀1の計3個に終わった。2000年代の五輪では最少で、決勝進出種目はリレーを含めて8。入賞数は9で、88年ソウル五輪以来8大会ぶりに1桁に沈んだ。目標の複数の金を含むメダル10個以上には遠く及ばず、惨敗と言っていい。

 不慣れな日程に振り回された感は否めない。今大会は予選を午後、準決勝、決勝を午前に実施。体の動く夜の予選で好タイムが出る傾向があり、準決勝突破ラインは予選より下というケースもあった。日本は大会前から午前決勝を意識してメイン練習を朝にシフトする選手が多かったが、予選敗退者が続出。計画的に準備する日本人の勤勉さ、繊細さが裏目に出て、本能のまま大胆に泳いだ海外勢にのまれた印象だ。

 コロナ禍で事前に海外勢とのレースをこなせなかったことも響いた。欧州勢は5月の欧州選手権でライバルの状態を把握できたし、米国勢は国内の代表権争いが世界レベルに近い。日本は6月にジャパン・オープンなどをこなしたが、ドメスティックな目線を世界に向けられなかった。

 全33選手中22人が初五輪。ウイルス対策でまとまった合宿はほとんどなく、ベテランの経験をチームに還元できなかったことも、大舞台で力を発揮できない一因だったかもしれない。それでも最後は地力不足。世界との差を埋めるためには、代表強化だけでなく、発掘、育成、指導者養成などを含めた複合的な改革が求められる。(木本 新也)

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