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男子マラソン・大迫 6位入賞「100点満点」有終ラン 「6番がスタートライン」後進育成へ新たな挑戦

[ 2021年8月9日 05:30 ]

東京五輪第17日 男子マラソン ( 2021年8月8日    札幌大通公園発着 )

<東京五輪 男子マラソン>ゴールまであとわずかとなった最後の直線で観衆の拍手を受けながら万感の思いでゴールへ向かう大迫(撮影・西海健太郎)
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 男子マラソンが行われ、東京五輪を最後に引退を表明した大迫傑(30=ナイキ)が2時間10分41秒で6位入賞を果たした。先頭集団でレースを進めた大迫は8位まで落ちたが、終盤に追い上げて6位に食い込んだ。日本の男子マラソンの入賞は12年ロンドン6位の中本健太郎以来、2大会ぶり。MGC1位の中村匠吾(28=富士通)は2時間22分23秒で62位、服部勇馬(27=トヨタ自動車)は2時間30分8秒で73位だった。

 競技人生最後の42・195キロは6位だった。マラソン転向から5年。一度も優勝することはできなかった。だが、それは大迫にとっては小さなことだった。「やり切ったというところが凄い。メダルはチャンスがあればと思ったが、今回はなかったというだけ。自分自身の力は出し切れたと思います」。クールな男の目が赤く染まり、あふれ出る涙をタオルで隠した。

 日本勢が脱落していく中、大迫だけが上位に食らいついた。30キロ付近で先頭争いからは後退したが、粘り強く前を追う。北海道庁の赤レンガを抜けた先にゴールが見えると、誰にあてるともなく、右手を何度も突き上げた。「これが最後だと思って走った」。万感のフィニッシュだった。

 日本マラソン界に刺激を与え続けた。15年に単身米国に拠点を移すと、異端児扱いされた。だが、日本記録を2度塗り替えた成功を受け、日本選手の海外挑戦は当然という流れに変わった。昨年の福岡国際で優勝した吉田祐也(24=GMO)のように、積極的に海外で試合を行うことで急成長する若手も出てきた。

 「6番というところがスタートライン。マラソン王国としてのプライドを持って、パリ五輪を戦ってほしい」。日本男子マラソン復活への期待を背負い続けた男の旅は終わった。だが、バトンは次世代へつながった。「陸上選手としての挑戦は終わるが、それ以外の活動は続いていく」。後進を育てるという新たな挑戦がこの日、始まった。(河西 崇)

 【大迫に聞く】
 ――競技生活最後のレース。
「真っすぐ進んできた部分があったので、これからも競技以外でも進んでいけたらいいと思う」

 ――どんな心境で走ったか。
 「最後はきつかった。6番に上がったところで前を追ってみたけど、15秒くらいからギャップが縮まらなかった。確実に6番と思って走り切った」

 ――レースプランは?
 「あまり考えていなかった。勝負自体は30キロすぎかなと思っていたので、力を使い過ぎず、最後に集団に対応することを心掛けた」

 ――今日はどんな日になった?
 「100点満点の頑張りができたかな。こんな状況だけど、多くの人が応援してくれて力になった」

 ――五輪はどういう舞台?
 「特別だけどやることは変わらない」

 ――これからも走ることは続ける?
 「あまり太りたくないので、適度に走りたい」

 ◇大迫 傑(おおさこ・すぐる)1991年(平3)5月23日生まれ、東京都町田市出身の30歳。中学時代に本格的に陸上を始め、長野・佐久長聖高では2年時に全国高校駅伝優勝。早大時代は箱根駅伝で活躍し、卒業後に加入した日清食品を1年でやめて渡米。ナイキ・オレゴンプロジェクトに参加した。マラソン日本記録は2度更新。自己ベストは2時間5分29秒。1メートル70。

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