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【柔道】国際ルール変更への適応とデータ戦術フル活用

[ 2021年8月9日 05:30 ]

金メダルを手に笑顔の阿部一二三と詩
Photo By スポニチ

 【本紙担当記者が分析】日本オリンピック委員会(JOC)が掲げた「金メダル30個」にはわずかに届かなかったものの、史上最多27個の金メダルを獲得し、銀14、銅17を合わせた総数58個でも過去最多を上回った東京五輪の日本選手団。57年ぶりの地元五輪は競技間で明暗がはっきり分かれたのも特徴だった。その理由について担当記者が分析した。

 全階級に金メダルを狙える実力者がそろっていた柔道。コロナ下で平時より大きかったホームアドバンテージ、自国開催に懸ける選手の気迫など、史上最多金メダル9個の要因は挙げればきりがないが、16年リオ五輪後に変更となった国際ルールへの対応も大きかったと考える。

 主に変更された点は(1)有効の廃止(2)指導差による勝敗決定の廃止(3)抑え込みによる技ありの15秒から10秒への短縮化、の3点。リオ後に就任した女子の増地克之監督は寝技の有効性に目を付け、重点強化に着手した。78キロ級の浜田尚里のように元々寝技が得意な選手の台頭はもちろん、52キロ級の阿部詩のように投げ技一辺倒だった選手も技術を身に付け、海外勢の脅威となった。

 また大惨敗を喫した12年ロンドン五輪後、男子の井上康生監督体制の始動とともに全日本柔道連盟の科学研究部がデータ改革に着手したことも大きい。今大会もリアルタイムの試合分析結果をフィードバックしており、日本選手の戦況把握と戦術の徹底は抜群だった。象徴的だったのは、指導が遅いジャッジの傾向を逆手に取り、勝負どころをしっかり見極めて5試合を勝ち抜いた男子81キロ級の永瀬貴規だろう。これらは再現性が高く、今後も日本の強みになる。

 昨春以降、国際試合や国際合宿の機会が大きく制約されたことは、間違いなくディスアドバンテージと考えていた。結果を残した選手、関係者に敬意を表したい。(阿部 令)

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