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レジェンド大神雄子さんが語る女子バスケ銀メダルの要因「遂行力」「リバウンド」

[ 2021年8月9日 05:30 ]

東京五輪第17日 バスケットボール女子決勝戦   日本75-90米国 ( 2021年8月8日    さいたまスーパーアリーナ )

WNBAでプレーした大神雄子氏 (AP)
Photo By AP

 東京五輪に出場したバスケットボール女子日本代表は決勝で米国に75―90で敗れ、銀メダルとなった。バスケットボールでは男女を通じて初の表彰台だった。快挙を成し遂げたチームについて、04年アテネ五輪の女子日本代表で、現在3人制日本代表のアソシエイトコーチを務める大神雄子さん(38)に聞いた。

 今大会の日本の3点シュートの1試合平均の成功数は12・2本で、2位のオーストラリアの9・0本を大きく引き離してトップ。38・4%の成功率も1位だった。サイズで劣り、インサイドの勝負で劣勢となる日本は、7位だった96年アトランタ五輪、8位だった16年リオデジャネイロ五輪でも3点シュートを武器にしてきた。

 「今までと違うのは全員が打てること。宮沢や林だけではなく、高田らインサイドの選手も打てる」

 今大会6試合で、代表12人中、東藤を除く11人が3点シュートを決めた。現在、NBAなどでも3点シュート重視の傾向が強い。

 「バスケットのスタイルが変わっていく中で、日本は3点にこだわって、決めてきたことはすごい。準決勝のフランス戦では成功率50%だったが、なかなか出せる数字じゃない。全員がやるべきことをわかっていて、その遂行力が高かった。全員がわかっているから安心してシュートを打てる」。

 ガードの町田瑠唯は準決勝で五輪最多記録を更新する18アシストをマークした。1試合平均12・5本でアシスト王にもなった。

 「町田のドライブは良かったし、周りの選手もしっかり合わせていた。高田や赤穂がディフェンスの裏をつく動きは良かった」

 3点シュートと町田のアシストが注目されたが、躍進の理由はそれだけではない。

 「もう1つ大きかったのは大会を通してリバウンドが相手とほぼ互角だったこと。以前の日本は1試合で10~20本相手に多く取られていた。今回はリバウンドを取れたから速いバスケットにつなげられた。ボックスアウトなどの練習もしてきたと思う。地味だけれど、赤穂(リバウンド日本人最多の1試合平均7・3本)がしっかり飛び込んでいた」

 米国出身のトム・ホーバス監督はエースの渡嘉敷来夢を故障で欠くチームを銀メダルに導き、「スーパースターはいないが、スーパーなチーム」と評した。試合中の熱い指示も話題となった。

 「JX時代にアシスタントコーチとして指導を受けたが、日本人よりも日本人っぽい指導者。選手が嫌がることも根気強く練習させる。徹底することでフィロソフィーになる。出る選手はみんな役割がわかっていて、トムは全員をうまく使ったと思う」

 決勝の米国戦では2メートル03のセンター、グライナーに30得点を許した。高さとパワーに力負けした。

 「米国のスカウティングはずば抜けていた。周りを生かすことがうまい町田には間合いを空けてついていたし、攻撃は徹底してインサイドだった。米国には世界一の強さを感じた。日本は今後、海外の選手と戦う環境をどう作るか。海外に挑戦する選手も出てきてほしいし、(外国籍選手の登録が認められていない)Wリーグに外国人枠も必要になってくると思っている」

 金メダルには届かなかったが、日本の女子バスケットボールは自国開催の東京五輪で、世界でも通用することを証明した。

 「もしかしたら1次リーグ敗退もあるかもしれないと思っていたが、大会を通して強くなった。今回、日本の歴史を変えた。銀メダルはここまで選手たちが頑張ってきた証だと思う。今度選手たちに会うのが楽しみですね」

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