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カツオの未利用部分を絶品のパスタソースに アパレル社会が“味なコーディネート”

[ 2023年7月15日 07:22 ]

パッケージのデザインを手がけた梁瀬さん(左)と筆者
Photo By スポニチ

 【釣り女子アナの伝えたいこと】釣りの人気ターゲットでもあるカツオと、ファッションが融合!?しかも開発したのが「パスタソース」って…。釣りが大好きなアナウンサー・大塚ひとみがその“謎”に迫った。

 カラフルなTシャツやジーンズ、ベルトなどのファッション小物類がズラリ…。アメリカン・カジュアルを中心に取り扱う「FREAK’S STORE(フリークスストア)」の一角に置かれたブルーの箱が目に留まった。「可愛い」と感じた箱に書かれているのは、ビンテージ風のカツオにまたがったシェフの姿。ポップな字体のアーチ形ロゴを読むと「焼津鰹(やいづがつお)のペペロンチーノ」。これが噂のパスタソースか!

 ソースを製作したのは全国で「フリークス…」を展開するアパレル会社「デイトナ・インターナショナル」(本社・東京)。ファッションとパスタの共通点を探してみても、さっぱり分からない。戸惑う筆者に同社の梁瀬岳さん(34)は「ファッションブランドならではの可愛いパッケージにしました」と説明してくれた。

 同社では店舗を構えた地域で恩返しをしたいと、2021年から各地でさまざまな活動を展開。静岡県でも何ができるかと模索したところ、カツオには大量の未利用部分があることを知ったという。県のカツオ漁獲量は8万6282トン(21年、農林水産省調べ)と“日本一”を誇る一方、「観光用の刺し身など加工した際に出る切れ端など、1匹のうち約40%も捨てられていました。率直にもったいないと感じたんです」と梁瀬さん。これを食品に加工できないか、プロジェクトがスタートした。

 開発には静岡県水産・海洋技術研究所(静岡県焼津市)も協力。焼津で水揚げされたカツオの未利用部分をミンチ状にし、それを特殊な機械でこして液体を抽出。カツオの風味を損なわないよう何度も試作を重ね、パスタにマッチする「焼津鰹のペペロンチーノ」が完成した。

 パッケージデザインは梁瀬さんが担当。海を連想させる青をメインカラーとし、赤や黄色も入れカラフルな印象にするなどし、米国のレトルト食品のような楽しさを盛り込んだ。アパレル会社が魚の消費に一役買えたことに一定の満足は感じているものの、苦労は多かったようで「ファッションとカツオはあまりに遠い関係すぎまして」と苦笑い。でも「“可愛い”や“格好いい”を作る仕事が、未利用魚問題の力になれるという第一歩を踏み出せて本当にうれしく思います」。廃棄されてしまう未利用魚も、これまでと違う魅力をプラスすることで資源に生まれ変わる――。食品ロス、地域の魅力発見など社会問題解決のヒントにもなりそうだ。

 ○…「焼津鰹のペペロンチーノ」のパスタソースは、2食入りで358円(税込み)。現在は静岡県の店舗(静岡市、沼津市など)で販売しているが、今後は東京都やインターネット通販などに拡大していく予定。販売は好評で新味の研究も進んでいる。

 ◇大塚 ひとみ(おおつか・ひとみ)1993年(平5)生まれ、千葉県出身。フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局、栃木放送、ウェザーニューズを経てフリーに。釣り歴はカサゴなど小物釣りを中心に20年。

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