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締めの55センチレインボー 群馬県片品村・丸沼は今月末で禁漁

[ 2022年11月29日 07:20 ]

55センチのレインボーを釣った沢さん
Photo By スポニチ

 【釣りの旅】日光国立公園内の標高1400メートルにある丸沼は日本のトラウトフィッシングの発祥の地だ。紅葉も終わり湖畔が本来の静けさを取り戻す頃、今シーズンを締めくくる大物狙いのチャンスが訪れる。 (吉田 俊彦)

 群馬県片品村の丸沼は今月末で禁漁を迎える。朝夕は氷点下になるが冷水性のトラウトたちにとっては適水温になり活性は高い。ターゲットはレインボートラウト、ブラウントラウト、大型イワナに加え今年はサクラマスも釣れているという。

 さて丸沼周辺では毎年小春日和の昼間に越冬前のカメムシの大移動がある。筆者は片品村在住の釣友、沢生道(さわ・しょうどう)さんと2人で大物のライズを期待して釣行した。

 曇り時々晴れの予報とは裏腹に湖畔に到着すると、みぞれが降っていて周囲の山々は雪化粧していた。午前9時過ぎぶ手こぎボートを借り出船したが、釣り人は数えるほどしかいない。ボートが3隻に陸っぱりが3人。広い丸沼の貸し切り状態に喜んだが、しばらくしてカメムシどころか湖面に全くライズがないことに気がついた。最初は天気が悪いためと思っていたが、どうも様子がおかしい。

 全く当たりもないまま、午後になるとついに釣り人は我々だけになってしまった。ボートを止めてよく水中を観察すると不自然に水中に漂うゴミや落ち葉が目立ち、なんとなくぼやけて見える。もしかすると湖水のターンオーバーの影響で表層の酸素が足りず魚が深く潜ったのかもしれない。筆者はフローティングラインを重いシンキングラインに変更。ゆっくり深い層を探ると、いきなり小さなニジマスがヒットした。想像が確信に変わった瞬間だった。

 寒いけどもう1周だけ探ってから帰りましょうと提案し実績のあるシラバ下へ向かった。岸と平行に風上側に20メートルほどキャストし30秒カウントダウン。ダムサイトに向かってゆっくり移動を始めると、沢さんのロッドに前当たりがあり次の瞬間力強くリールが逆転しヒット。ロッドは大きく曲がったまま、どんどんラインが出ていき自然とリールファイトになった。はるか遠くで白銀の魚体がジャンプ。かなりの大物だ。少しずつ寄せると今度は底に向かってガンガン潜っていく。ここは水深があるからラインを出しても大丈夫と彼にアドバイス。丸沼で野生化した魚はまるで海の青物のように暴力的だ。最後まで慌てずにファイトした沢さんは上手に魚を水面までリフト。その瞬間、やっとネットに収まったのは見事な55センチのレインボーだった。

 ヒットフライはVARIVAS2430BL#8に巻いたパープルストリーマー。この紫系フライは解禁当初から爆釣の大物キラー。来年4月の丸沼解禁が今から楽しみだ。

 ◯…釣り上げた魚はキープして沢さん自ら調理して食卓を飾った。刺し身とハラスの塩焼きは子供たちにも大好評だった。

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