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高3自殺 柔道部監督の「指導死」 県教委の第三者委が報告書「生徒の適応能力を著しく損なわせた」

[ 2026年4月28日 05:30 ]

記者会見する第三者委の岩渕浩弁護士(右から2人目)ら=27日午前、新潟県庁
Photo By 共同

 新潟県立高3年の男子生徒が2024年6月に自殺した問題を調査した県教育委員会の第三者委員会は27日、報告書を公表した。所属する柔道部の男性監督が大声で叱責(しっせき)するなど、過度な指導が主な要因の「指導死」だったと結論。学校や管理職も「監督への適切な指導を欠いた責任は免れない」とした。

 報告書によると、24年6月2日の県総体の試合で監督は、アドバイスに従わなかったことやお礼を言わなかったことを大声で厳しく叱った。同4日の放課後には、校内で5度、県総体であいさつせずに帰宅したなどとして叱った。翌5日、生徒が死亡しているのが見つかった。

 県教委は当初から「部活動顧問による指導と自殺の関連が疑われる」として、24年9月から第三者委の調査が開始。関係者に聞き取りを続けていた。今回の報告では、柔道部に他の教員がほとんど関わっていなかったとした上で、自殺の要因を「閉鎖的な環境下に置かれたことを背景に、監督による権威的で過度な指導がストレス要因として作用し、生徒の適応能力を著しく損なわせた」とした。

 第三者委の岩渕浩弁護士は記者会見で「部活動の在り方そのものに問題がある。再発防止には学校や管理職のガバナンスが必要だ」と述べた。提出された報告書を受け取った太田勇二教育長は「独善的な行き過ぎた指導が生徒に精神的負荷をかけた。それを放置していた学校や管理職の責任もある。おわび申し上げる」と話した。

 県教委によると監督はすでに異動し、県内の別の学校で教師を続けているという。監督の処分は今後、県教委として事実を確認し判断する。

 ≪指導者の「思い上がり」変える必要≫部活動を巡る「指導死」が後を絶たない。21年には沖縄県立高校で、空手部主将だった2年の生徒(当時)が教諭から「部活やめろ」などと理不尽な叱責を受けて、追い詰められ自ら命を絶った。

 スポーツライターの小林信也氏は「今でもそういう指導を正しいと思い込んでいる指導者がいることに驚かされる」とする。「(指導者に)勝たなきゃいけないという思い込み、自分が強くしてやるという思い上がりがある。スポーツはそういうものではなく、主体性が本人にあると指導者も考え方を変える必要がある」と指摘。また、「生徒がそういう道を選ばないような周囲のサポート体制がなかったことも残念」とし「学校や部活だけではなく、スポーツ界全体の問題として取り組まないといけない」と語った。

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