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婚姻色にうっとり 雄オイカワ15センチ 緩流は難しい!!膝くらいの深さ狙って

[ 2021年6月29日 07:02 ]

ウエットフライに出た15センチのオイカワと筆者
Photo By スポニチ

 首都圏から約1時間の埼玉県を流れる荒川支流・入間川は、これからオイカワのフライフィッシングの好機を迎える。埼玉のリトルアメリカとして注目されている入間市の「ジョンソンタウン」も紹介しよう。(吉田 俊彦)

 オイカワの魅力はなんと言っても婚姻色をまとったオスの美しさだろう。筆者が初めてその美しい姿に感動したのは小学生の時、日高市を流れる高麗川でアユ漁の網に掛かった瑠璃色に輝く魚を見た時だった。その美しい魚を自分でも釣ってみたいという動機が、筆者の釣り人生の原点なのだ。それほどにオイカワのオスは美しい。

 フライフィッシングで狙う最も美しい在来魚種ターゲットのオスのオイカワ。そのコツを紹介しよう。まずポイントだが、魚が見える場所と釣れやすい場所は違う。ライズするオイカワが見えても流れの緩い場所の魚は難しい。狙いは膝ぐらいの深さの瀬頭だ。砂れきの底で、所々で石が頭を出している場所が良い。キャストは対岸に向かって振る。

 筆者のオイカワ釣りの愛竿はVARIVAS「グラストレイル8フィート♯4」。リーダーシステムは同「プロドライFHT11フィート5X」に「ティペット6X」を2フィート継ぎ足して使用。その結び目にはゴールドビーズのウエットフライ、そして先端にドライフライと2カ所にフライを結んでいる。

 着水と同時に10センチほどの銀鱗(ぎんりん)が飛び付いたが掛からない。ラインを少し張って水面を横切るようにフライを流す。流心を過ぎた所でガツンと明確な当たりが来た。グラスロッドが気持ち良く曲がるファイト。この日一番の大物は美しい15センチのオスのオイカワだった。フックは特に重要で、筆者が使用しているVARIVAS「2120WBL」#18はカエシのないバーブレスフック。安全でリリースする魚のダメージを少なくできる。

 ◯…釣り入門者やファミリーにも大人気のオイカワだが、近年カワウの食害により減少してしまった。そこで入間漁協では日本釣振興会と共同し、オイカワの産卵床作りを4年連続で実施している。今年も支流の霞川で日釣工「LOVEBLUE事業」の一環として砂れきを敷き詰める産卵床と川耕しが実施された。今回の釣果もこのようなサスティナブルな水辺を守る取り組みが実を結んだ結果だと思う。

 ◎ジョンソンタウン
 筆者が生まれ育った入間は基地の街。航空祭で有名な入間基地は元々、帝国陸軍士官学校豊岡飛行場だった。戦後に米軍に接収されジョンソン基地となる。朝鮮戦争とベトナム戦争を経て基地が返還された後、近隣の米軍住宅だった場所が往時の雰囲気を生かして再開発されたのが「ジョンソンタウン」。今では米軍ハウスの雰囲気に引かれた多くの若者やクリエーターが集まり、個性豊かな飲食店、雑貨屋、一流のテニスショップもある入間の異世界だ。今の繁栄ぶりに米軍の若きエースだったジョンソン中佐もさぞ驚いておられるだろう。釣りがてらぜひ一度立ち寄ってみよう。

 ▼釣況 埼玉県入間市・入間漁業協同組合=(電)042(973)2389。

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