増えてコイ!!未来へ込める希望 埼玉県・入間川に人工産卵床設置

[ 2020年4月20日 07:08 ]

3団体が協力して入間川にコイ、フナの産卵床を設置
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 【釣り人掲示板】未来の子供たちに魚影豊かな釣り場を残すため、そしていつまでも良い釣りをするために地道な努力をしている人々がいる。今回は埼玉県の入間川にコイ・フナ人工産卵床を設置した、3団体による魚を増やすための協力の様子を紹介しよう。(吉田 俊彦)

 埼玉県南西部を流れる入間川。筆者はこの川で泳ぎも釣りも覚えたが、現在は入間漁協の組合員となり活動している。入間川の中下流域では野生のマゴイを求めて年間遊漁券を購入し、通い詰めるコイ釣りファンも少なくない。

 ウイルスの脅威にさらされているのは、何も我々人類だけではない。コイにはコイヘルペスウイルス(KHV)が引き起こす特有のコイヘルペス病がある。03年に大流行し、霞ケ浦(茨城県)で養殖ゴイが大量死したニュースを覚えている読者もいるだろう。KHVは人には感染しないが、法的に河川へのコイの放流はいまだに禁止されている。

 そこで魚族資源保護活動を活発に展開している「公益財団法人 日本釣振興会(日釣振)」(高宮俊諦会長)の呼び掛けに、入間漁協と埼玉県水産研究所(加須市)が全面協力。県内では放流で増やすことができないコイの自然産卵を促すため、人工産卵床を設置する取り組みが始まった。3団体の協力関係は日本釣振興会が推進する「つり環境ビジョンコンセプトによるLOVE・BLUE事業」として行われ、昨年からコイの繁殖地である入間川笹井堰(せき)上流の入間市黒須中学裏に産卵に適した水草や藻を補完し、コイの自然産卵を促す目的で人工産卵床を設置している。

 先月初旬、埼玉県水産研究所の全面協力のもと、人工産卵床に使用する人工藻を作成。これは研究所が開発した実績のある人工藻で、秘伝の埼玉方式による産物。裁断したポリエチレンシートを束ね、研究所の大釜で煮てから冷たい水で急冷しワカメのように縮れさせる。それを河原の天日で1週間干してからいよいよ設置だ。

 施設当日には日釣振の高橋裕夫事務局長、入間漁協の古島照夫組合長も参加。設置する場所は流速がやや穏やかになる水深50センチ前後のポイント。緩い巻き返しのできるワンドも好まれる。流れのある水面への設置ということで、一つの産卵床に3本の鉄筋を打ち込んで流失を防ぐ。木材をA型にフレームを組んで流れの中で、人工産卵藻が水位に合わせて上下するように工夫したのは入間漁協のアイデアだ。

 昨年は4月中頃からコイが集まり集団をつくり始め、1週間後には全ての産卵床の人工産卵藻に多数の卵が産み付けられていた。現地視察した埼玉県水産研究所の山口光太郎氏は「95%は受精し、少なくとも約120万粒の受精卵があると考えられる」と話した。

 多数の卵で黒い点々が見える。待望の発眼卵はとても可愛く、未来への希望をのぞかせている。今年は埼玉県の特産品である小川和紙を利用した産卵藻のテストも行っている。季節外れの降雪で水温が下がってしまったが、昨年同様、多くの発眼卵から無事に稚魚が誕生するように願ってやまない。

 ▼釣況 入間漁業協同組合=(電)042(973)2389。入漁料はリール釣り雑魚が1日券700円、年券は4000円 狭山市の上州屋新狭山店で購入可。漁協のHPはhttp://jupiterlink.info/irumagyokyo/

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